雪屑のエスカレーター
▽
私は体温計を図った後、また眠った。
熱が少し下がったのは、空が夕焼けに染まった頃
一人で帰れますと、保険医に伝えて
一人で下足箱に向かい、靴をはきかえる。
けれど、まだまだ視界は歪んで
でも自分の力で帰らなくては、と必死に体勢を立て直し
校門の外に出ると、そこには
「……七美」
岳人が立っていた。
「大丈夫か?」
「うん…大丈夫」
久々に会話した気がする
久々に岳人の目が、私に向けられている。
嬉しいけど色々有りすぎて、気まずかった。
そうこうしている間にも、熱からの目眩が起きる。
フラついた拍子に、岳人が支えてくれた。
「大丈夫って、大丈夫じゃないだろ」
返す言葉もなく、私は支えられたままだ。
その後は、岳人に介抱去れながら家に付き
あやふやな意識の中、ベッドに眠った。
2014/11/24[Mon]
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