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雪屑のエスカレーター




私は体温計を図った後、また眠った。

熱が少し下がったのは、空が夕焼けに染まった頃

一人で帰れますと、保険医に伝えて
一人で下足箱に向かい、靴をはきかえる。


けれど、まだまだ視界は歪んで
でも自分の力で帰らなくては、と必死に体勢を立て直し
校門の外に出ると、そこには


「……七美」

岳人が立っていた。

「大丈夫か?」

「うん…大丈夫」

久々に会話した気がする

久々に岳人の目が、私に向けられている。

嬉しいけど色々有りすぎて、気まずかった。

そうこうしている間にも、熱からの目眩が起きる。
フラついた拍子に、岳人が支えてくれた。

「大丈夫って、大丈夫じゃないだろ」

返す言葉もなく、私は支えられたままだ。


その後は、岳人に介抱去れながら家に付き

あやふやな意識の中、ベッドに眠った。




2014/11/24[Mon]







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