Strikers Fire -If Story- 三ページ 「なぁフェイ」「行くよーヴィヴィオー!」 「うん♪」 フェイトは話に聞く耳持たずヴィヴィオにボールを投げる。緩やかな放物線を描いてバウンドしたボールをヴィヴィオが拾う。 「なのはママ〜♪」 「うん、いいよヴィヴィオ♪」 続けてヴィヴィオが両手で投げる。何とも微笑ましい光景だ。 「ところでフェイト。あのボー」 「なのはー、ファルドには思い切りお願いねー♪」 「任せてフェイトちゃん♪ディバインバスター!」 ひゅごぉぉん! 「危なっ!」 ばしいっ! かなり魔力の込められた豪速球が飛んできたがどうにか受け止めれた。両手が痺れてるけど。 力の入らない状態でフェイトに投げる。 「駄目だよファルド♪ヴィヴィオに投げない、と!」 ひゅごぉぉぉぉぉん! 「ごぶふぁっ!?」 カウンターで投げ返されたボールはみぞおちにクリーンヒット。えぐりこむように打たれた。フェイトに。 「も〜、フェイトちゃんやり過ぎだよぉ」 「ごめんなのは…」 「謝る相手は俺だろうがぁ……」 痛む腹部を押さえながらボールをヴィヴィオに転がす。駄目だ。物凄い痛い。 というか信じられないスピードだった。笑顔でこめかみに青筋浮かべながらボール投げられるなんて思ってなかったからな。 余程触れられたくない話なのか……あのボール。 「ファルドパパ大丈夫?」 「何とか…」 ヴィヴィオの優しさに思わず涙が出そうだ。 「大丈夫だよヴィヴィオ。ファルドパパはこれくらいじゃ壊れないから♪」 お前は悪魔か魔王か、はたまた冥王計画かこら。血も涙も持ち合わせてないのか!? 「ファルドはね、こうしてあげると喜ぶんだよヴィヴィオ♪」 おいこら何を言ってるんだ魔王の嫁さんよ。勝手に人を変態扱いしないでもらいたいな。 というかそんな趣味はないぞ!? 「へぇ〜…」 感心するなヴィヴィオ!それ嘘!嘘だから! あぁ、無邪気な子供が汚されていく…。そもそもスカリエッティの奴はいつからエンターテイメントな技術者になったんだ。 今度あったらオレンジ投げつけてやる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |