Strikers Fire -If Story- 六ページ ベンチの前、公園の中央部辺りには噴水がある。夕焼けの所為で水が少し赤く見えた。 「……」 「……」 俺もセインも黙ってしまい、妙な緊張感が走る。何か話そうにも話題が出てこない。 頼むから何か話してくれ話題を振ってくれ。いや、俺から何か話せばいいんだが話し掛けられる雰囲気じゃない。 「………ファルド」 「…なんだ?」 こてん 「〜〜〜!?」 ちょ、待てぃ!いきなり人の肩に頭を乗せるな!しかも腕をしっかり抱きしめてくるから余計に心臓に悪い。 「…………」 (う…何か良い匂いが……) セインのシャンプーか? 「な、なぁ…セイ」 「…くぅ……」 「……………てめぇ…」 枕代わりかよ! 「はぁ……仕方ない奴だなお前は……」 疲れて寝たのか。まあ、遊園地でははしゃいでたからな……マスコットキャラに抱きついたのを見た時は思わず笑ってしまったが…。 「…ぅ……ん……」 「……あ、悪い。起こしたか?」 「…ん〜……ファルド?」 「おはよう」 「うん……え?あれ?」 「突然寝たから驚いたぞ」 現在は夜。日が沈み、街中に灯りが灯される時間帯。 そんな中、ファルドはセインを背負って街を歩く。 寝ていたセインからすれば何故なにどうして、という状況なのだが、ファルドは知らん顔。 「ファルド。重いでしょ?降りるよ…」 「逆に軽いくらいだ。ちゃんと食べてるか?お前」 「む。食べてるよ…」 「そうか。ならいいんだ」 それきり黙ってしまい、再び二人は話しずらい雰囲気になった。 [*前へ][次へ#] [戻る] |