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Strikers Fire -If Story-
九ページ
「まず二人ぃ!おら次はどいつだぁ!」

『……(合掌)』

「一撃ッスか!?(泣)」
「手加減マジでしてない!?」
「ど、どうするのさ…」

両脇のビルが崩れ落ち、ファルドはその土煙の中をゆっくり歩きながら出てきた。
 両手にはシグナムとヴィータが気絶して捕まっていた。

「悪魔め…(ガクッ)」

ファルドは二人を下ろすと、見えなくなったナンバーズ達の背中を見送る。不敵な笑みを浮かべながら。


「逃がすと思うなよ…お前達はそれなりの報復を受けて貰うんだからな…」

《主、スイッチ入ってますね……》











「無理!絶対無理ッス!」
泣きながらウェンディが喚く。

「ば、馬鹿!声が大きい!ばれたらどうすんだ!」
その口をノーヴェが塞ぐ。

「うぅむ…」
チンクはそんな状況下でもどうするか考えていた。

「…………」
「…………」
オットーとディードは無言で震えている。

「うぅ…ティア〜、なのはさぁん……」
スバルは膝を抱えて泣き言を言っていた。

かなり離れた場所でスバル達は息を潜めている。いつ見つかるか分からない恐怖に怯えながらビルの一角で固まっていた。


「う、うぅ〜〜……」
「泣くな馬鹿。全く、まさかあんな危ない奴だなんて……」
「悪いのはボク達だけど」
「うん」
「とにかく、謝ればファルドさんも許してくれるはずだよ。皆で謝ろう?」
スバルの提案に全員が頷こうとした。

どかーん

「な、何!?見つかった?」
ビルを揺らす振動に身を強ばらす。
全員のむいていない方向から一人の男が着地する。

「覚悟はいいか…?」

『ヒイィッ!?』

静かな声に後退り、抱き合う数人。

そんな姿見てもファルドに罪悪感なんてものはありません。

本気(マジ)で怒ってますから。


「あ、あのファルドさん!」

「あぁ?」

「私達が悪かったですから許して下さい!」
スバルが正直に謝る。それを見て武器を下げるファルド。

「…………」

(た、助かった……)
全員がそう思った。だが、ファルドの表情が笑顔に変わる。


「許して……くれるんですか?」


「馬鹿だなぁ、スバル。そんなの








許す訳ないだろ?」




ぼかぁぁぁぁぁん


今までの中で一番大きい爆発がビルとその周辺地域を吹き飛ばした。

容赦も手加減も無しにファルドは暴れ回っている。

笑いながら。

《…主、相当ストレス溜まってたんですね……後頭にきてたんですか…》
ケルベロスの呟きは爆音に消された。

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