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Strikers Fire -If Story-
十三ページ
「ジャケットオフ……」
《Yes》
元の私服姿で非常用通路を抜ける。遊園地では色々騒いでいたが俺を見て更に騒ぎが広まった。

「あ、あんた!まさか本当にやってくれるなんて……」

「言ったからにはやるっつうの……」
ていうか疲れてるから黙れお前。
そしてホテルに行かせろ。

「悪いが後にしてくれ。俺は非常に疲れてるんだ」

たかが十秒の限界突破でも全身が鉛になったような感覚がしてるんだから。

話の分かる奴なのかすんなり通してくれた。


「…疲れたぁぁぁぁっ」

「ど、どうしたのファルドさん!」
「ファルドパパ大丈夫?」
 部屋に戻ったらなのはがヴィヴィオに魔法を教えていた。だが疲れ切った俺には何にも言えない。
お願いだから休ませて下さい。
ていうか休日ですよね今日?休暇取ったはずだよな俺は?なのになんでこんな事になってるんだよ。

あれだな。動物園が駄目だったんだなきっと。

「風呂入る……」
「大丈夫?」
「駄目」
「即答されても…」
「シャワー浴びながら寝る可能性があるぞ」
「じゃあ一緒に入ろうか」
「ああ」
何かもうどうにでもなってくれ……。

シャワールームの扉を開けて服を脱ぐ。
備品のタオル巻いたら脱衣室から中に入って熱湯を浴びる。
中はまあ広いんじゃない?視界が霞んでよく分からんよ。

あとからなのはが入ってヴィヴィオも来た。
なのはが何か言ってるけどよく分からん。

「大丈夫?」
「知らん」
ああ…こういう場合は…

ガツン!

壁に頭打ちつければいいんだな。

「大丈夫だ」
「…にゃはは…」
「パパ大丈夫?」
「もちろん」
痛いな。額が。

なのはが背中を洗ってくれる。ヴィヴィオも手伝ってるのか異様に心地よくてまた寝そうに…
ガツン
ならない。大丈夫だ、まだ起きてるぞ俺は。




「悪いな。背中流してもらって」
「大丈夫♪ファルドさん疲れてたしね」
「うん」
「そうか。あぁ本当にお前と結婚したいくらいだ」
私服のズボンと下着姿でベッドに倒れる。髪は乾かしたし体も拭いたから大丈夫。

「ぇ…ぁぅ……」
「なのはママ?大丈夫?」
「ぅん……」
悪いが……もう、寝る………。






「…もう、冗談でも真顔で言わないでよね、ファルドさん。本気にしちゃうから」
ファルドを挟む様になのはとヴィヴィオがベッドに潜り、小さな独り言を呟く。

「おやすみなさい♪」
「うん、おやすみヴィヴィオ」
部屋の灯りを消してなのはも目を閉じる。

「…ファルドさん」
「……ん」
「起きてる?」
「…んん」
寝言なのか、それとも返事をしているのか分からない。

なのはは一度微笑み、耳元で
「お疲れ様でした」

そう呟いて寝息をたて始めた。

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