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Strikers Fire -If Story-
三ページ
「さぁてさっさと終わらすかー……無理だと思うけど」
ガチャリ、という扉の閉まる音と共に家が静まる。
 外は良い具合に晴れているがこんな日に出掛けられないのは少し腹が立つ。

「戻ったら強制的に模擬戦してやる……」
よーし、そうと決めたら終わらせて休暇を満喫してやる。


〜一時間経過〜


「……減ってる気がしない」
なんだこの量。流石十人分だけはある。

「まあ…まだ時間あるしな。じっくりやるか」

『ファルドさ〜ん…』
「ん?なのはか?」
念話してくるとは何事か。こっちは忙しいのに。

『ヴィヴィオが遊びたいってワガママ言って聞かないの…』
「悪いが無理だ」
『お願い!そこをなんとか…』
「それでも今は無理!下手すれば終わらないんだから!」

『ただいま〜!』

「って、帰ってきたのかよ!」

「パパ〜」
「にゃはは……」

この野郎既に帰りながらあんな念話してきたのかよ。
 紛らわしい事この上無い。そしてヴィヴィオが手を握って引っ張る。

「あー…ヴィヴィオ?悪いけど今は勘弁してくれ」
「ヴィヴィオ。ファルドパパは今忙しいの」
「うん…」
急にしょんぼりするヴィヴィオ。どうやら遊べないのが不満らしい。

「だから、ママと遊ぼう?」
「でも、ファルドパパと一緒に遊びたい」
「ワガママ駄目だよ?」

「午後になったら遊んでやるからそれまで我慢してくれ」
「いいの?」
「だけど今は仕事に集中させてくれ……」
 とりあえず今は仕事仕事。なのはもヴィヴィオを抱き上げて隣に座り、覗き込む。

「ふぇ〜、凄い量だねー」
「十人分渡されたからな」
「へー……ぇえ!?そんなに渡されたの!」
「それだけ渡された」
「やっぱり手伝おうか?」
「そうしてくれ…」
だけど問題のヴィヴィオはどうするかな……

「ふぁ〜……」
「…………」
心配いらないようだ。興味深々で手元と整理している資料を見比べている。
 この様子なら飽きずに見ているだろう。


「じゃあ少しそっちに渡すぞ」
「うん。でも結構あるね」
「四人分渡したからな」
「ヴィヴィオもやりたい」
…………はい?

「えー……まあいいか」
「いいの?やらせても」
「別に良い。勉強になるだろうし」
「そういえばヴィヴィオ。宿題はやったの?」
「う……」
あ、やってないな。絶対に。

「ちゃんと終わらせないと駄目だからね」
「えー…」
「分からない時は持ってきてくれ。ちゃんと教えてやるから」
「もー、ファルドさんちょっと甘やかしてないかな?」
「分からないままにさせておくよりいいだろ。ほら、四の五の言わずに手伝ってくれ」
 むー、と頬を膨らませて睨んでくるが無視。

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あきゅろす。
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