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Strikers Fire -If Story-
十一ページ
「これは結構本格的に降ってくるな。何処かで雨宿りするぞ」
「う、うん…」
フェイトと一緒に段々強まる雨の中を走り、適当な場所で雨が上がるのを待つ。

ザァァァァ………


「…運が悪いな全く」
「そうだね…プレゼント。濡れてない?」
「大丈夫だ。俺は濡れたけど。フェイトは…」
即行で顔を背けた。疑問符浮かべているようだが、今の服はあまりにも刺激的過ぎる。

黒い肌着は肌に張りつき、体のラインをはっきりと映す。

(…気付け…頼むから)
「ファルド、どうかした?」
「どうもしない。気にするな」
「顔、赤いよ?熱ある?」

そんな俺の心の声は届かず、身体を近付けて額に手を当てるフェイト。

顔を背けているから手が届きにくいようだ。

「ん〜…ファルド、こっち向いてくれないと熱が計れないよ…」
「熱はないから。大丈夫だ」
「でも、風邪引いたら大変だよ?」
「だから大丈夫だっつの」

振り向いてしまって後悔したけど俺は後悔しない。

「…フェイト。服」
「え?……」
みるみる真っ赤になっていき、両手で胸を隠す。
恥ずかしそうにチラチラと見てくる。

「…早く言ってよ、ファルド」
「言うタイミングを逃した。悪かったな」


その後は、しばらく気まずい空気が流れた為に会話が無かった。
ただ、雨の降る音ばかりが耳に入ってくる。

「雨、止まないね」
「ああ…」
一向に止む気配の無い雨を見て、これはまずいと思う。
 風邪を引いたらプレゼント云々ではないぞ。

しょうがない。強行突破だ。

上着を脱いでフェイトにかぶせる。
ついでにぬいぐるみも渡す。

「ファルド?」
「雨の中走るから荷物持ってくれ」
「でも、どうやって行くの」

言う前に実行。フェイトをおんぶする。
…意外に重、失礼。軽い。

「いいか。荷物しっかり持てよ?上着は頭からかぶれ、フード付いてるから」
「それだとファルドが風邪引いちゃう…」
「いいんだよ、馬鹿は風邪引かないから。行くぞ」

ウダウダ言わずにさっさと行動。雨の中を走る。


容赦なく雨が顔に当たる。服が濡れて若干重みを増してきた。
いいトレーニングになる。とか言ってられません。

フェイトがしっかり抱きついてくるから別な事に集中してないと意識が何とも言えない感触に向く。

ええい畜生。なんだってコイツはこうもスタイル抜群なんだよ。
というか考えて見れば美人揃いじゃないか。

何よりもさっきから何を言ってるんだ俺は!

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