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Strikers Fire -If Story-
三ページ
 外回りから向かう先は聖王教会。ファルドとクルヴィスは一般人の行うバザーを眺め、カリムと軽く業務について話し合っていた。

「ところで騎士カリム」
「はい?」
「明日はバレンタインデーです」
「はぁ……」
 何ですかそれ、といった感じに頷くカリムにクルヴィスはざっと簡単に説明する。理解してから紅茶を飲むファルドを見て一言。

「ねぇファルド、明日は時間に余裕あるかしら?」
「明日か……少し予定はあるが三時間程度で済む。それ以外は殆んど業務は無いな、実質的に暇という事になる」
「あら、そうなの? じゃあ悪いんだけれども明日も来れない?」
「ん、頑張ってみるさ」
 ファルドの言う暇、というのはあくまで普段に比べたらだ。実際には自由時間が八時間程度は確保出来る、但し睡眠時間を除いて。
 二人が帰った後にカリムは困ったように頬に手を当ててため息を吐く。

「そんな、唐突過ぎて何の用意も……」
「騎士カリム、私もお手伝いします。今からでも遅くはありませんよ」
「そうね。それじゃあ……」
「ええ、お付き合いします」



 そして、機動六課に戻って来た二人が見たのは警告カラーの帯でシャットアウトされた食堂だった。男性達は皆胃袋の飢えにクラナガンへ食事を食いに出払っている。

「今奇襲したら墜ちるぞ六課」
「まったくですね」
「どうかしたのか」
 ライダーが街の見回りから戻って来た。立ち入り禁止の食堂を見て、少し困った表情をしている。

「むぅ……スバルと昼食が食べれん」
「まぁ仕方ない。クルヴィス」
「俺が運転するんで食いに行きましょうか、ライダーも一緒に」
「すまないな」
「っと、ロアは……」
 訓練スペースに一人で設定レベル最高ランクの回避訓練を行っていた。それを全弾迎撃という離れ業は戦艦の迎撃射撃程度どうにでもなるという事か。とりあえず、回避訓練の趣旨が大いに勘違いされている。
 四人はクルヴィスお勧めという店に向かった。

「ラーメン屋か……」
「灼熱のフォウマルハウト醤油ラーメンってなんだよ」
「爆熱ゴッド味噌ラーメンとは……」
「サマーソルトラーメン一つお願いします」
 ラーメン屋『蜘蛛の糸』。のど越しツルツルのごく細麺がスープと絡んで大好評! という隠れた名店。

「俺は爆熱ゴッド味噌ラーメン。ファルドは」
「灼熱のフォウマルハウト醤油ラーメンで。ライダー」
「……うむ、このはふはふハスターラーメンで」
 カウンター席に並ぶエース達がラーメンを食べるという奇妙な光景。そんな奇跡の一枚から局員達が利用するようになって商売大繁盛、というのはまた別な話。

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あきゅろす。
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