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Strikers Fire -If Story-
十二ページ
 午後二時。射撃訓練終了。

「はっはっは、それでは頑張りたまえ」
「あんにゃろう……!」
 全弾回避という快挙を成し遂げた隊長が朗らかに笑いながら去っていく。
 藍紅は息を切らしながらも何とか生存した。

「あれはスロウドと似た匂いがするな」
「どっちが」
「両方。特に濃いのが隊長」
 それには激しく同意する。

「では次は近接戦闘の訓練です」
 流石トウハ、容赦ない。淡々と進めてくれるのは本当に助かる。腹筋的な意味で。

「黄泉君、例の物を」
「かしこまりましたー!」
 心なしかまたスロウドらしき未確認生命体の顔が描かれたクリーチャーが現れた。我々はアレを物体Sと名づける。

「ではあの物体Sを思う存分リンチしてください。大丈夫です、中に誰も居ません。ですので……」
 トウハが見事な回し蹴りを放った。ビクともしない物体Sに思わず全員が感心したような声を挙げる。

「このように思う存分日頃の怨みを晴らしてください。思う存分」
「なんで俺っぽい顔なんだこれ!」
 全部で七体。メンバー分の物体Sが揃えられていた。

「午後はほんと楽だ……」
 午前中の地獄に比べれば、まだまだ……そう思っていたファルドが視線に気付く。

「ロア、見られてる気がしないか? ……話聞けよ」
「おう? わりぃ、なに?」
「余計なことに気づかなきゃいいのに……」
 それでも流石に見て見ぬふりは出来ない。

 声も聞こえてきた。きっと疲れているんだろうな俺達、そう思い込みたい。

「――ぅぅううううん!! ぶんぶん!」
(また貴様かライダァアアアアアアアアアア!!!)
 颯爽と現れたのはライダー。例の見えないバイクに乗りながらのご登場となった。

「そこ、手を休めない」
 トウハはしっかり教官をやっている。真面目なのはいいことだ。

「スバル、何処だ。スバル!」
「来ないでライダー!」
「スバル! よせ! はやみゃるな!」
 なんかはじまった。しかも噛んでいる。

「ギンガの件は謝る」
 ああ、続いてるのね。納得しながら訓練に没頭する。

「嘘。だってライダーはギン姉とあんなに楽しそうにバイク飛ばしていたじゃない!」

\デデーン! ロア、アウトー!/

「エアバイク思い出させんなよぉ! いってぇ!」

「俺はバイクに乗るのが楽しいのであって……」
「私に乗るのは楽しくないの!?」
「楽しいさ!」
 そんな会話を日の高いうちからするな。

「じゃあなんで! なんでギン姉と」
「それは……」
「やっぱりなにかやましい事が」
「それはない!」
「じゃあなんで!?」
「お前を祝う為にギンガに色々と聞いていたんだ!」
「ライダー……ん? じゃあその為にギン姉とツーリングしてたの?」

 なんだろうかこの昼ドラは。

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あきゅろす。
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