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Strikers Fire -If Story-
十一ページ
 午後一時。前半戦が終了し、ここからが中盤戦。

「昼飯何食ったか覚えてねえ……」
「俺もだ……」
「皿食ったでしょう」
「それは食い物じゃない」
 ゲッソリした様子で食器を片づけたメンバーはノロノロとした足取りで訓練場へと向かう。

「はぁ〜ぁ〜……」
「おー、マスター死んでる。にしてもティナちゃん達かわいかった」
「スロウド、極刑」
「褒めただけで!?」
「顔がアウト」
「あと視線がアウト。なんかもう全部アウト」

\デデーン! スロウド、アウトー!/

「理 不 尽 過 ぎ る!」


 訓練場に居たのはあの隊長ではなかった。

「隊長が突然体調不良に襲われたので午後は代理人の僕が皆さんの教官を務めます」
 トウハ。そしてその隣には藍紅もいる。どうやら隊長は逃げたようだ、さすが引き際を弁えている。

「午後の訓練は射撃、近接、防御、回避の四つです」
 良かった、まともな人物が進行してくれて……。胸を撫で下ろした。

「森林地帯に傷つけたら強制アウトですので、死なない程度に頑張ってください」
 そうでもなかった。泣いた。


 午後一時五分。射撃訓練開始。

「あちらに見えます的に注目してください」
 かかしが立っている。心なしかその顔がスロウドに似ているが、手書きな所為で似ても似つかないクリーチャーの顔となっていた。

「こちらのナイフを投げて当てるだけです」
 トウハが投げると、顔にドンピシャ。

 爆発した。

「……というように」
「待て待て待て爆発したことにツッコミは無しか!?」
「藍紅くん、的の設置をお願いします」
「はい」
 スルーされる。

「魔導師の方々にはこちらのデバイスを用意しました」
「………」
 三つの魔法少女ステッキが並んでいる。ご丁寧に名前までひらがなで書かれていた。

「これ以外にないのか?」
「ありません」
 はっきりと言い切られる。

「……月に代わってお仕置きよ」
 ボソリとクルヴィスが呟き、ファルドとロアが笑いを堪えた。

 訓練開始。目標はスロウド(仮)の全滅。

「死ねスロウドー!」
「くたばれー」
「…………」
「あの的に俺の名前付けるのやめてくんない!?」
 意気揚々と的を破壊していく。特にロイの命中率と破壊率がずば抜けて高い。

「ちっ、スロウド(仮)め!」
「中々しぶといなスロウド(仮)」
「まだ湧いて出てくるのか、スロウド」
「そんなに俺を殺したいか!」

 殺伐とした訓練場に隊長が!

「はっはっは。やってるかね?」
 的の近くというだけに、マスターがここぞとばかりに手を滑らせた。

「やべー手が滑ったわ―!」
「狙ってんだろそれ!」
 それを、隊長は難なく避ける。

「一体、いつから私が的だと錯覚した?」
「なん……だと……!」
 爆炎を背負いながら見栄を張るとは。アイツ……出来る!

「目標変更してあの人と藍紅くんにしましょうか」
「一同賛成」
「俺まで!? 聞いてないっす!」
「今言いました」
「ひでぇ!」
 的を設置しながらひぃひぃ言ってどっちの訓練だがよく分からない。

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