Strikers Fire -If Story- 十一ページ 長い金髪に赤い瞳。隣に髪を逆立てた茶髪の筋肉質な男性。 (フェイトとロア!?何でよりによって!) 「珍しい事もあるよなぁ。アイツのパートナー務めて十年位になんのにサボるなんて今回が初めてだぞ?」 「そうなんだ。でも働き過ぎだったからちょうどいいんでしょ、ロア」 「あー、まあな?」 二人は気付いていない。しかし段々と距離が縮まってくる。 (いやいやいや待て待て落ち着け、落ち着いて素数を数え…る暇なんかあるかぁ!) こんな所見つかりたくない一心で逃げた場所。チンクがスカート試着中のカーテンの中。 パンツ一枚でスカートのボタンを締めるのに苦戦していた。 (頼むチンク何も言わずにしばらく黙っててくれ!) (〜〜〜〜〜!?!?!?) 身を寄せ、靴を履いたまま中に入っていたが今はそれどころじゃない。 (ファ、ファル……ファルド、兄……) (しっ、静かに!) 二人の話し声が近づき、会話の内容が聞こえる。 「ったく、アイツも少しは女性と触れ合えばいいのによ…」 「仕事ばっかりだよね…」 「忙しいのは分かるけど、でもたまにはなのはなり八神なりナンバーズなりといちゃついてもいいだろうが」 「私は?」 「……………ダメ」 「そうなんだ……嬉しい様な寂しい様な…」 「い、いやな?別に悪い訳じゃないんだけどよ……ただーなんだー…そのー……」 (良いからさっさと行けやバカップルこの野郎!) 人の事を言えるのかファルド。チンクに兄と呼ばれて2828しているというのに。 声が遠ざかって一安心。ようやく今の状況が理解出来たファルドのすぐ傍には。 絶望的なまでに顔を赤くしたチンクがスカートを抱き締めたまま固まっていた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |