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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
二ページ
 何も言わずに深呼吸と準備体操を始め、ため息を一つ吐いてドアに向かう。

あまり見せる事の無い…ここ数年間見せなかった笑顔で。
患者を逃がさない為か、自動ロックが掛かっている。

 ファルドの格好は下は私服のズボンだが、上は黒の半袖一枚。その上まだ包帯が巻かれている。


喧々囂々と騒ぐ廊下に出る前に精一杯息を吸い、吐く。

十分にリラックスしてドアを開けた。



そしてファルドの口から出た言葉。






「お前等医務室前で騒ぐなぁ!人を死なせる気か!」


要は、うるさいから黙れ。

それだけ言うと、また医務室に戻る。


「……何や、滅茶苦茶元気やないか」

はやての呆然とした呟きが廊下にいる全員の首を頷かせた。



「…はぁぁぁ」
 ベッドに倒れこんだファルドは上着を脱ぐと、体に巻かれている包帯を外した。

大半の傷は勝手に治療したのか、ほとんど残っていない。
だが、背中にある傷だけは治せなかったようだ。

右肩から左脇腹に掛けて残る巨大な剣の切り傷。

「……もう四年か」
そう呟くと、再度上着を着る。邪魔で外したかったようだ。
廊下からの声は聞こえなくなった。

「俺は何日寝てた…」
《丸四日間です》
「それだけ寝れば体も回復するわな……」
多少呆れながらも先の心配をする。

一週間。それが最低ライン。

組織の活動停止期間。だが、事件が起きないという事は敵の戦力が回復、又は強化されるという事でもある。

「……嵐の前の静けさって奴か」
気が重くなったファルドはポケットを探る。
しかし、煙草が無かった。

「……無くても死なないよな」
ただ、気分転換が出来ない。











「思ったより元気やったね」
「うん。これでようやく聞き込み出来るね、はやてちゃん」
「だけど話してくれるかな…?」

「うむ…フェイト殿の言う通りだ。切り方はこれで良かったのか?」
「うん。それで、次はジャガイモの芽を取って…」
「ふむふむ……」
調理場に立つ三隊長とナンバーズの姉であるチンク。
 それぞれ色違いのエプロンを着て晩御飯の準備をしている。

「む、難しいな……」
「えっとね、こうして包丁の角を使って……」
「ふむ……。作るのも中々楽しいものだな♪」
「あはは。チンクちゃん結構飲み込み早いから美味しい料理作れるよ」
 順調に料理が出来上がっていく調理場と、そこから香る匂いに腹を空かす他多数。

「あぅぅ……お腹減ったぁー…」
「そうッスねぇ……」
テーブルに突っ伏すスバルとウェンディ。

「…うーん…てい」
「やった。上がり」
「ディエチ姉様が一番ですか…」
「う…くそ…」
ババ抜きで時間を潰すオットー、ディエチ、ディード、ノーヴェ。

「中々楽しんでいるな」
「少しは手伝ってくれてもいーんじゃねーか?」
「だけど手伝える事無いですよ?」
「それもそうね」
その様子を見守る守護騎士一同。

と、リインがある事に気付いて食堂を見渡す。

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あきゅろす。
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