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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
九ページ
 動物モノに向かうのはウェンディ&セインの二人組。何かと気が合う二人は一緒の行動が多い。

「ウサギとかネコとか色々あるッスねー」
「あー、可愛いー。犬とか」
「アタシはネコッス!」
色々言い合いしながら笑い、今の時間を純粋に楽しんでいる。

他のメンバーも楽しそうに買い物を始めていた。

ディエチはなのはにどういうのが良いのかを聞いたりしてたりもしている。
その度にスバルが割り込み掛けてなのはに怒られていた。




買い物開始から一時間。女性の買い物は長い。
まだ一つ二つ決めたぐらいで、まだまだ必要なのはある。

「ん〜…悩むッス…」
「そうだよねー……」
シャンプーを二つ手に持って悩む。

「さすがにこんなにあると悩んじゃうなぁー…」
「む、まだ決めてなかったのか?」
「チンク姉は決めたの?」
「う………うむ。手本として一番先に決めなければいかんからな」
何故か赤い顔でそっぽを向く。
と、そこで何か見つけたのか歩いていった。

「…?」
気になったセインは、まだ商品を選んでいるウェンディに気づかれない様にチンクの後を追う。
 近くのボディシャンプーコーナーで黒眼鏡を掛けた青年が商品を探していた。

「……ん?」
「ヤッホー、また会ったね♪」
セインがチンクを追い越し、肩を叩く。
姉が驚いていたのは言うまでもない。

「なんだ。お前か」
気だるそうにしながら商品を棚に戻す。左手は相変わらずポケットに入れたままだ。

「何を買いに来たのだ?」
「別に。ちょっと見に来ただけだ」
そう言いながらも、買い物袋を片手に下げている。既に用事は済ませていたようだ。

「そっか。じゃあさ、アタシ達のシャンプーとか選んでくんないかな?」
「悪いな。もう用が済んだから帰るところだ」
 それだけ言うと、そそくさとエレベータに向かって行ってしまう。
引き止めようにも既にボタンを押している為、邪魔する訳にもいかずそのまま帰らせた。

「あちゃあ…タイミング悪かったかな」
「きっと忙しいのだ。次に期待しようではないか」
「セイン〜、アタシこれに決めたッスー!」
と、丁度エレベータが下の階に降りる時にウェンディが気に入ったシャンプーを持ってくる。
匂いはラズベリー。

「ウェンディはそれか〜…アタシも早く選ばないと」
セインはすぐさま売り場に戻り、まだ決めてなかったシャンプーを探す。

「チンク姉は何買ったんスか?」
「べ、別に大したものではないぞ?気に入った柄が中々なくて、普通のにしたのだ」
「…?何焦ってるッスか?」
後ろ手で買い物袋を隠すチンク。ビニールから薄らと見える中身は『子供用』

棚が高くて届かなかったから、仕方なく値段も手頃な物で済ませたのだ。
まだ終わりそうに無い買い物の雰囲気の中、青年はエレベータを降りて地下の駐車場に止めた自分のバイクへ荷物を乗せる。


「全く、まさかシャンプーと食料が無くなってるなんてな……」
一人きりの暗い地下駐車場がその呟きを何倍にも反響させた。

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