魔法少女リリカルなのはLOST Battle
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それでも動かなければならない。一刻も早く事件を解決し、今ある平和をこれ以上乱させる訳にはいかないのだから。
会議室に集合し、椅子に座る。仕事の話となれば真剣な表情だ。
息を軽く吸ったはやてが部屋全体に行き渡る様に声のボリュームを上げる。
「パーティーやってすぐで悪いんやけど、今後の話や。といっても簡単で、すぐ終わるから堪忍な」
まず、話すのはWARSの目的である漆黒の青年の話。
次に、新たに現れた深紅の青年の被害情報。
そして、隔離施設を襲撃してきた謎の質量兵器の話。
それらを解決する為の部隊だと言う話をした。
「こっからが本番。ナンバーズは、なのはちゃん指導の元、社会更正プログラムを済ますんや。それはすぐ終わる。次に、分隊編成や」
高まる緊張の中、眠気も飛ぶような張り詰めた空気。
「発表しようと思ったけど、まぁ夜も遅いし。まだ私生活に必要な物も足りてないと思うんでー。明日はデパートでお買い物やー!」
『えぇーーー!?』
なんていい加減な部隊長なんだ!
そう思ったが言わないし、言えない。
その判断には流石にフェイトも口を挟む。
「は、はやて。そんなので良いの?」
「大丈夫や。実はまだ情報整理済んでなくてなぁー、その為にうちへ時間くれへんか?色々ありすぎてんのやー」
苦笑しながら頭に手をやるはやてを見てため息を吐くメンバー一員。
「もー会議はお開きや。ぐっすり寝て、また明日頑張ろうなー!以上、解散!」
という心の広い適当でいい加減な部隊長からの一言により、会議終了。
荷物を持って二階の廊下を歩くナンバーズ。
「いやー、まさかあんな適当だとは思わなかったよ」
「確かにな。だが、あのような人物でも部隊を引きつれて動けるのだ。侮れん…」
「そういえば部屋はどうするッスか?」
廊下の真ん中で立ち往生。
「部屋は自分達の好きでいーよ。私達も好きに使っちゃってるし」
「あ、なのは…さん」
ディエチが控えめに呟き、微笑みながら近づくなのは。
「皆お疲れ様ー。大変だったよね?」
「だけど、歓迎会。スッゴク楽しかったです!後、嬉しかったです!」
「ん、スバルは元気一杯だね。だけど早く寝ないとダメだからね?」
それだけ言うと、なのはは自分の部屋に去っていった。
それを合図に、それぞれが決めた部屋へ入っていく。
そして、静まり返るWARS宿舎。
ただ一人。八神はやてだけは部隊長室兼自室で起きていた。
暗い部屋で液晶ディスプレイを眺めている。
そこには、隔離施設襲撃の犯人である人型質量兵器と交戦する一人の青年が写っていた。
「……ほんま、どっちの味方なん?君は……」
それだけを呟くと、制服のボタンを外してネクタイも取り楽になる。
上着をハンガーへ掛けてそのままベッドへ倒れこむ。
金色に輝く剣十字のペンダントを握りしめて目を閉じ、睡眠をとる。
次に目を開けた時は太陽が地上を照らしてくれているだろうと信じて。
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