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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
六ページ
 着いたそこには、何台かのヘリが待機している。そして、操縦士も同じ人数分待機していた。
ローター音が絶え間なく鼓膜を刺激する。

 その内の一人に話し掛けた。

ブロンドの髪のショートカットの女性。

「なぁ。ヘリを飛ばして欲しいんだが、いいか?」
「え?はい…」
 多少呆気に取られたようだが、すぐに持ちなおすと操縦席に座る。
それに続いて後部座席に座った。

「あの、どこに向かうんですか?」
「海上隔離施設まで頼む」
「分かりました」
頷くとすぐにヘリが空に上がり、目的地へ向かい飛び立つ。




 移動中はずっと空を見ていると、ヘリのパイロットが口を開いた。

「あの…隔離施設にどういった用件が?」
「…調査だ。地上の管理局施設を回るんだよ」
 無難な嘘をつく。だが、ある意味間違いではない。

「…失礼ですが、階級の方は?」
「……一等空佐だ」
「え?…し、失礼しました!」
「別に気にすんなよ……」
 思いの他高い階級に、急に肩身を縮める女性パイロット。



 そして、予想より早く隔離施設に到着した。
着陸する場所にはもう一台のヘリがある。先客がいるようだ。

 ヘリのローターが止まり、ドアが開く。
ファルドと同じぐらいの青年、ヴァイスがすぐそばでダルそうに待機していた。

「ありがとよ。地上本部に戻って構わないぞ」
「え?ですが…」
「帰りはそっちのパイロットに頼む。ご苦労」
「は、はい。それでは」
 降りた事を確認したパイロットはドアを閉めてヘリを飛ばした。

時刻は大体八時。一時間近く飛んでいたらしい。

 到着した以上、ここからは迅速に行動しなければいけない。
ファルドが頭の中で先の計画を立てていると、ヴァイスに話し掛けられた。

「なあアンタ。どっかで会った事…」
「…気のせいだ。用事があるからこれで」
 その場を逃げる様に去り、緑の生い茂る施設に入る。

「…っかしいな〜。ま、他人の空似なんて珍しかないよな」
ヴァイスの小さな呟きは青空へ消えていった。



(…そういや隔離施設は初めて来るな)
 相変わらず左手はポケットに入れたまま中を歩き続けるファルドは、辺りを見回す。

無機質な廊下の脇には芝生に緑の木々が立ち並んでいた。その開いた場所で数人の少女達がボールを蹴っている。

(……保護された娘達か)
 脚を止め、しばらく様子を見ているとコントロールに失敗したボールがファルドに飛んできた。
数回バウンドし、足元で止まる。

「セイン。何度失敗しているのだ」
「あはは…チンク姉、ゴメン」
「すいませ〜ん!ボール取って下さいッスー!」

「…姉妹か」
 呟きながらボールを蹴り返した。
綺麗な放物線を描きながら少女達の元へ帰っていく。

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あきゅろす。
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