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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
三ページ
 その小さな光を掴む様に手をかざし、脚を止める。

今の自分を救ってくれる、小さな希望。
いつになれば届くのか分からない。しかし、それでも進まなければならない現実。

諦める気はない。掴むつもりも毛頭ない。

「誰が希望なんか持つか。ふざけろよ…俺には救いも助けもいらねえ…!」

 その小さな光をかき消す様に拳を握りしめて潰す。

だが、第一ラボに向かわなければならない。仕方なく廊下を真っ直ぐ進む。


徐々に灯りが大きくなり、廊下を抜けた先に広がる光景は――



「来たか。ファルド」
「遅いぞー」

 吐き気がするほど鉄の塊が囲む巨大な空間。

天井。床。壁。全てが鉄に包囲されている。

人の姿もあるが、どうだっていい。

その後ろには機械人形が三体、並んで立っている。

目指した光の空間。そこは戦争を前に意気揚々とした世界だった。


――そらな、俺が求めた救いなんてこんな程度さ。

だったら戦い続けるだけだ。身を置けるのは戦場だけということか。

「…随分派手な出迎えだな。パーティーでも始めるつもりか?」
「冗談を飛ばせる余裕があるだけ結構。さて、まずは紹介しておこうか」

ドクターが道を開ける様に体を横にどけると、背後に立っていた三体が一歩前へ進み出る。
起動しているところを見ると、不都合もない様だ。

「自己紹介といこうか」

《シャドウ。前線での指揮を任されています》

《バスター。敵対勢力の鎮圧を任されている》

《ライダー。最前線での囮役に任命された》
 それぞれが意志を持って自分の紹介をしている様子は、人と変わり無い。

「聞いての通り、三人は戦場での役割がある。シャドウが前線の指揮を執り、それに従ってバスター、ライダーの二人とガジェットフレームが動く」
「なるほど?だったら俺達はそのサポートか」

「そういう事になるね」
 満足そうにしているドクターからノルドに視線を移すと、先日と同様に何やら忙しそうに手を動かしている。

「ノルド、何をしている」
「フレーム達の最終チェック。今は特に問題なし」

「前線でサポートするのはファルドとロアの二名。バックアップは私とノルドの二名だ」
「レイスはどうした」

「彼は極秘任務中さ。詳細は秘密にさせてもらうよ」
 ここ数日、連絡も何もない仲間の一人はドクターの命令で独自に動いているらしい。

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