魔法少女リリカルなのはLOST Battle
一ページ
長い間ヘリで揺られながら三人は目的地を目指した。
徐々に地上が減っていき、眼下には海が広がってきている。
その先に孤島のような小さい陸が見えた。
「お、もうそろそろ着きますよ」
「ほんまか?」
704式ヘリは海上に浮かぶ施設へ向かって真っ直ぐに向かっていく。
海上隔離施設のヘリポートへ着地するとはやては降りて中へ入った。
ヴァイスはヘリの傍で待機し、する事もないので空を仰ぐ。
「いー天気だ。そう思わないか、ストームレイダー」
《そうですね》
頭上を旋回する鳥の群れを見続けながらヘリに体を預ける。
全天井がガラスで覆われ、中には木々が植えられている人工的な自然環境。
そこには保護された人々が住み、日々を過ごしている。
ボールを器用にリフティングしながらバランスを取っている赤い髪の少女、ウェンディが人懐っこい笑みを浮かべながらボールを軽く蹴りだす。
「行くッスよー。それ」
蹴られたボールは放射状に飛びながら、同様に赤い髪でショートカットの少女ノーヴェの下へ転がった。
「チンク姉、パス」
脚で受け止め、横に流すように軽く蹴るとそこには十歳くらいの背が低いチンクが立っている。
「うむ。セイン、ほら」
爪先でボールを浮かし、ウェンディの後ろへ飛ばすとそこにはエメラルドの髪をしたショートカットのセインがボールを待ち構えていた。
「あいよー。それっ」
「うぎゅっ!?」
それをダイレクトに蹴り返す。が、ウェンディの顔に直撃し、そのまま倒れる。
「あわわ!?ウェンディ、大丈夫?」
「痛いッス……」
丸を描くように顔が赤くなっている妹を見てセインが笑い出し、ノーヴェは呆れた顔で腰に手を当てた。
全員が着ている服はシンプルな上下一緒になっているスカート。
その為あまり脚を上げるのははしたない。
笑う三人と涙目の一人を木陰から見守る三人。
「痛そうだ…」
「うん。交ざらなくて良かったよ」
「ウェンディ姉様、大丈夫でしょうか?」
リボンで後ろ髪を縛るディエチが呟き、それに頷く短髪のオットー。姉の心配をする一番下の綺麗なロングヘアーのディード。
全員茶髪の髪である。
そんな元気そうに過ごす七人の少女達を遠くから見つめるはやてとギンガ。
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