魔法少女リリカルなのはLOST Battle
十ページ
何処か子供っぽい表情のまま、なのはが座り、その隣に気を引き締めたフェイトが座る。
書類をまとめた茶色の封筒を手元に持ったはやてが自分の考えを口に出した。
「あんな…実は…うちらの部隊は隊員の勧誘が自由なんよ。誰を入れても大丈夫って話や……ただバランスが取れてれば問題なしって部隊……」
『えっ!?』
驚いたような声を出す二人だがはやては話を続ける。
「それで…やっぱり八人だけっていうのはキツいやんか。だから……」
「動かせる人員を増やしたい…だよね?」
その言葉に黙って頷くと、テーブルの上に封筒を置いて差し出す。
それを手に取ったフェイトが中の書類を取り出した。
「なのはちゃんの言う通り。せやけど、うちらの担当する事件は危険な物ばかり……それなりの実力がないとあかん」
「うん、そうだけど…この書類は?」
「うちが部隊に入れようと思ってる子達…」
暗い言葉に二人は渡された書類へ目を通す。
「あれ…?もしかして」
「…はやて。この子達って……」
そこには、見覚えのある少女達が書いてあった。
『No.X チンク』
『No.Y セイン』
『No.[ オットー』
『No.\ ノーヴェ』
『No.] ディエチ』
『No.]T ウェンディ』
『No.]U ディード』
「そう。スカリエッティの戦闘機人、ナンバーズや。今は海上隔離施設で保護されてる。ずっと保護しとく訳にはいかへんからうちらで引き取ろうかって考えてるんや」
「そっか……うん、私は賛成。フェイトちゃんは?」
「私も。だけどはやて、敵だった私達の味方になってくれるかな?」
「ふふ〜、ちゃんと考えてあるで〜?ちょちょいと裏技を使うけどな〜」
得意気に笑うはやての表情に苦笑いをするなのはとフェイト。
二人の意見を聞いた以上、黙ってはいられない。
「さて、そんならうちは寝ようかな。明日朝早くに行ってくる」
「うん。留守の間は?」
「シグナム達に任す予定。なるべく早く終わらせて帰ってくる」
「なら大丈夫だね」
そして、話の終わった三人はそれぞれ個室に入って休息をとった。
番犬の主は暗闇に手を伸ばす。
夜天の主は夜空に願い続ける。
「……管理局、か」
「……予言に選ばれた人」
二人の主は夜空に思いを告げた。
「俺は…只の犯罪者だ。管理局は敵だ……。歯向かうなら叩き潰す…!」
その決意を確かめる様に拳を握りしめるファルド。
「どうしてこんな気にしてんやろ。顔を合わせた事もない人やのに……」
自分の気持ちが分からず、悩み続けるはやて。
そして、戦争が始まる。ミッドチルダの地上を揺るがせる、人と“デバイス”の巨大な戦争が……
その狼煙は、海上隔離施設から上がる。
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