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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
九ページ
「ん〜〜……。ドクター、俺も休ませてもらうけどいいか?」
好戦的な口調とは打って変わって柔らかな物腰に変わるロア。

「ああ、もう遅いからね。好きにしたまえ」
「あ、けど…作戦は」
「後日伝えよう。おやすみ、ロア」

「はい。それでは」
礼儀正しく礼をすると、ファルドの消えた奥の廊下へと消えた。
 その背中を見送った後、残ったのは二人の技術者。

「“二重人格”か。初めて見た」
「貴重だからね。私が知る限りロアだけだよ」
「へー…試運転はどうすんの?」
「私がやろう。いざ起動させて暴走したら困るからね」
「なら先に寝させてもらうよ」
ノルドが時計を見ると、日付が変わっていた。
眼鏡を外して白衣の胸元へしまうと奥の廊下へと向かっていき、一人になった所で三体を起動させる。

「……さて、起きるんだ。“シャドウ”“バスター”“ライダー”」

《Stand by Ready…》
 装甲の隙間に繋がれているケーブルが次々と取れていき、固定されていた手足が自由になった三体がドクターの前へ立つ。

《…こんばんはドクター。それともはじめましてでしょうか?》
シャドウ。漆黒の一体は礼儀正しい態度で創造者に礼をする。

《……任務を》
バスター。全身に武装の施された鉄巨人は使命を最優先としている。

《…狭くて暗い。嫌な場所だ》
ライダー。鋭利で流線形の一体は研究所を非難した。


だが、機械の体でありながら三体にはしっかりとした“人格”がある。
一人ほくそ笑むドクターは三体…“三人”の前で手を広げた。

「こんばんは。三人共…気分はどうだね?」

《快調です。全システム、問題ありません》

《異常無し》

《特にない》

「そうか…まずはお前達に話さなければならない事がある……」









――WARS宿舎

「ただいま〜」
 灯りの点いている玄関からロビーに入るなのは。
時刻は深夜0時を通り越していた。

「あ、おかえり〜。なのはちゃん」
「はやてちゃん?何してるの?」
ロビー端のソファーに制服姿のはやてが座っていたのに気付き、近づこうとした瞬間、玄関が開く。
 そこから来たのはフェイトだった。ようやく仕事が終わったのか、疲労の色が隠せない。

「なのは……はやても」
「おかえり、フェイトちゃん♪」
「お疲れさんや。丁度ええな、二人共ちょっと聞いて欲しい事あるから来て」
 なのはとフェイトの二人は不思議そうにしながらはやてと向き合う様にソファーへと腰掛ける。

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