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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
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その様子を蔑む視線で見つめていたが、所詮技術者はこんなものだろう。と考えた。

やがて狂った笑い声が消え、落ち着いたドクターは息を整えながら脚を進める。

「いや、すまないね。私とした事が思わず興奮してしまったよ。そう、私の目的は“スカリエッティを越える事”だ。だが、それを証明する証拠がない」
 長い廊下の終わりを告げる灯りがようやく見えてきた。互いに口を閉ざし、ひたすら進み出口へと出る。

そこでファルドが見た物は“人形達”と“ガラクタ”だった。


人形は全三体。未だ起動していないのか静まっている。

そしてガラクタの方は数え切れない程、通路の大きく開かれた右手側を埋め尽くしていた。その全てが同じ形状をしているがファルドには見覚えがある。

「…ガジェットドローンのT型?」
「惜しいね。正確には“ガジェットフレーム”。ドクターの“量産型デバイス”だよ」
赤いランプで足元が照らされている通路に立てられている壁の向こうから声が聞こえてきた。
そちらを覗くとひた向きに手を動かし続け、ディスプレイにデータを入力しているノルドが座っている。

「生で顔合わせたのはいつ以来だっけか?ファルド」
「さあな、どうでもいい……そっちの機械人形共は?」

「私の最高傑作の三体だよ。AIによって自身で思考し、状況に応じて最善の行動を迅速に行う“自律駆動人型デバイス”……それがその三体さ」

ファルドは改めて三体を品定めするような目つきで一体一体を見ていく。

 全身が黒く塗装され、全体的にバランスの取れた一体。

 巨大な両肩に見合う森林色の鉄巨人。全体的に屈強な一体。

 二体に比べ、線の様に細い紫の人形。首には赤いマフラーが巻かれている。

その中でもファルドは何故か漆黒の一体に目を付けた。

 顔を隠す様に前面から後ろへ伸びる流線形の頭部。ラグビーボールを切り、張り付けた両肩に機械には見えない生物的な両腕。手首から先は機能性を重視したのか、機械だった。胸部も同様である。
それに比べれば脚のフォルムは機械的だ。

 ふくらはぎを覆う勢いを殺さない流線形の脚アーマー。しっかり踏み込める爪先と踵のスパイク。
 後ろ腰には折り畳まれた剣と盾の攻防一体の武装が装着されていた。

最早、機械とは思えない。

「…武装した人間みたいだな」

ファルドの第一印象の言う通り、戦闘で被弾率の高い箇所。手足両肩、胸部を防御する為にアーマーを付けた“人間”がそっくり似合う。


「フェイスカバー外した素顔も見るかい?ファルド」
「ああ、頼む」

「了解っさー」
ノルドがキーボードで打ち込んだデータにより、一体の流線形のフェイスカバーが開かれ、装甲の隙間へ収納される。

ガシャッ、と勢い良く収納されたカバーから現れた素顔は機械的だった。

人の顔を模しているつもりなのだろうが、“部品”が足りない。
 鋭く尖った二等辺三角形の造られた瞳。人で言う口辺りまで凹み、そこから後ろへ引っ張られた様な顔。
 額には緩やかな三角形の宝石が埋め込まれている。

だがしかし、それでも人の顔として見れた。

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