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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
プロローグ
カツ、カツと無機質な廊下に響く足音。
窓のない建物の廊下なのか、通路は暗闇に染まっている。

一直線に伸びる廊下を歩いている青年。


しばらく歩いていると亡霊のように男が現れた。

その前に立ち止まると、胸を圧迫するような沈黙に場が支配される。

「…次の仕事はなんだ」
青年が手を差し出す。

「そのように急ぐ必要はなかろう?」
白衣を着ている中年の男がその下に手を差し出すと、青年の手からひし形の水晶が渡された。


琥珀色に輝く、手に納まる小さな宝石を受け取ると納得した感じで頷く科学者。

「うるさい。俺はお前みたいに待ってるだけじゃないんだ」
「それは失礼。何分、こちらも表立って動けなくてな」
青年は憎らしく舌打ちをすると、ふてぶてしく腰に手を当てて不機嫌そうだ。

「次の仕事…か」
白衣のポケットから写真を取り出して渡す。
渡された写真を見た青年は、視線だけで科学者を見て指示を待った。

「最近君があまりに騒ぎを拡大するものだからな。時空管理局が我々の計画を妨害しようとしている」

「……始末すればいいのか?」
つまらなさそうな呟きに対し、首を横に振る。

「それでは余計に仕事が増えるだけだ。今見せたのは要注意人物達であり、以降気を付けろという私の意思だ」
「……俺はいつも通り回収してくればいいんだろ」
ああ、と科学者が頷くのを確認した青年は写真の裏を見た。

そこには、次の仕事内容と名前が書いてある。

『高町なのは』

『フェイト・T・ハラオウン』

『八神はやて』

「……女ばかりだな」
「だが、実力は本物だ。気をつけてな」

「余計な世話だ」
冷たく言い放ち、写真をしまうと青年は踵を返し、その場を去った。


「……期待しているぞ、『番犬の主』……」

その場に取り残された科学者は不敵な笑みを浮かべると、音もなく廊下から消えた。





語られない戦いが、今始まろうとしていた。


魔法少女リリカルなのは―LOST Battle―

始まります…。

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あきゅろす。
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