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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
二ページ
「それじゃ手っ取り早く現在までの調査結果報告いたします。人がわざわざ海の上に行って直々に捜索していたファルド・ヴェンカー、ロア・ヴェスティージの二名の遺体」
死んでいる。その言葉に反応する二人を見て咳払いを挟んで訂正した。

「失礼。二人の行方はまだ分かりません。楽園の破片は海の藻屑、ドール達も単なるガラクタ。まぁ普通そんな中に人間浮いてたら一発でわかりますがね」
「……」
「俺が見つけたのはこれだけですよ」
そう言って取り出されたのはチャックの着いたビニール袋。中には黒い結晶の破片が幾つか入っていた。それが意味する事。

「十中八九、ケルベロスの欠片です」
ファルドのデバイス。砕かれた左腕の結晶の破片。それだけが見つけられていた。

「調査は続けますが結果は期待しないで下さい。はっきり言いますが絶望的なんですから」
「…ありがとうございます、クルヴィス二佐」
「いえ、仕事ですから。この後も報告書が待ってますので自分はこれで」
欠片を回収し、クルヴィスは敬礼して部屋を立ち去ろうとするがドアノブに手を掛けて止まる。

「騎士カリム。心中、お察しいたします」
「……」
「八神二等陸佐。手伝ってもらう事があるので着いてきて下さい」
「え?あ、うん…ほなカリム。また今度」
「ええ、また今度。はやて」
ドアを閉める音。そして小さくなり、離れていく足音を聞いてカリムは紅茶に映る自分の顔を眺めていた。

「…………」
静かに、涙が一滴流れる。





「クルヴィス二佐、ちょっとキツく言い過ぎちゃう?」
「こっちも時間押してるんですから無理に手の込んだ報告してる暇なんかないんですよ畜生が。人を昇格させる余裕があるなら人手を寄越せってんだくそったれ」
「…せ、せやけど良かったやないか。昇格出来たんやし…」
「まぁそうですね」
カツカツと廊下を若干早足で通り抜け、中庭に出る。そこではルーツとロードが教会の護衛をしていた。二体はクルヴィスを見かけると、頭を下げる。
それに敬礼を返して更に抜けた先ではシスター服を来たナンバーズ達がいた。
 本来ならば管理局の制服だが、教会で流石にその格好は不味いだろうと一時的に服を借りている。オットーだけは執事服。

スバルも白い制服に身を包んで来ていた。

「クルヴィスさん」
「はいどうも久しぶり。悪いけど時間ないからさっさと行かせてもらえないかな?」
「あの…」
何か言い掛けたのが気になり、脚を止める。

「ありがとうございました!ライダーを直してくれて」
「……何のことやら。直した覚えないんだけど?」
「え?でも、確かに…」
「俺が直したのはソニックウインド。ライダーじゃない、それだけ。それじゃ」
あっさりと別れを告げ、クルヴィスはポカーンとした表情のスバルから離れた。

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あきゅろす。
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