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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
五ページ

《そこまでやれば致命傷だろう?終わりだ》
「くっ……!」
疲労もピークに達して来ている。魔力はまだ残っている。まだ方法も残っている。なのに、こんな所で終わる。


――なぁクルヴィス、お前将来の夢とかあるか?…あぁいや、そうじゃない。管理局員としての夢だ


いつか兄がそう聞いてきた。まだ自分と二人で訓練していた時代の、昔話。

(夢……か……俺の、夢は…!)


――お前がちゃんと、胸を張って前線に立てる様になったらいつか機動武装隊に迎えてやりたいと思っててな。理由?



―お前みたいに、手間掛けた奴の成長を傍で見たい。それじゃ不満か?クルヴィス。


そうだ。そうだとも。

「そんな、風に…!」
《何?》


――それで、お前の夢はなんだ?


「俺の事を考えたアンタが…!」
槍を回し、鋼線の様な魔力の紐を切り裂く。

「戦うから俺はあぁぁぁぁっ!」

血を流し、口元を真っ赤にしながら叫ぶ。この声が聞こえる様に。遠く、高い空で戦う兄へ。


―頑張ったな。レアスキル無しでその才能はたいした物だ。


《ぬっ!?》

片手に幻術の槍を持ち、ブレイドの腕を突き刺す。続けて膝、脚、肩、と飛び越しながら刺していく。関節を固定する様にして、地面へ縫い付ける。

「俺の、夢はぁ…!」


―……俺の背中を守る事?…あぁ、そいつは素敵だな。お前と一緒に…空を守ってみたい。


「…アンタと共に戦う者として、恥じぬ姿で背中を守る事。武士として、約束は守る。俺は…男だから…それに二言は無い!」

《ぐっ…!》

ブレイドは身動きが出来ない。関節を封じられているのだから当然だ。しかしそれでも、破壊は出来ない。

《…まさか勝ったつもりか?》

「お前のMCSシステムは全部抑えた。再生出来るならやってみろ」
《全部?まさか貴様はコレが全部だと?》

「なに?」

《くっくっく……だから貴様は甘いんだ、三流風情が!》

無機質な顔の装甲が開く。牙の生えた口を開ける様に営利な形状に開いた。

《詰めが甘かったなぁ!》

幻術の槍が徐々に薄くなっていく。元が魔力なのだから当然だ。それすらも『吸収』し、『体内』へ取り込んだブレイドは剣を取り出す。

「嘘だろ……」
《ははは!まあ三流にしては頑張った。だが所詮そこで終わりだ》
「くそ…もう作戦なんか考えてねーよ……」

クルヴィスに、最早打つ手は無い。

これで終わり、これで終局。


これが、王手。

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あきゅろす。
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