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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
三ページ

地上本部前・防衛ライン最前線にてブレイドとクルヴィスの戦いは続いていた。互いに譲らない互角の戦いに見えるが、消耗を続ける魔力と補充される魔力。そのレースの差は離れていく。

《どうした三流!やはり口先だけのようだなぁ!》
「黙りやがれ!」
顔に刺突、右腕を肩から切り落とす。左腕の剣を防ぎ、くぐり抜けて背中を強打する。バランスを崩してよろめく。
だが、全身の装甲に規則正しく亀裂が走り現れた隙間から風が吹く音と共に魔力が吸い込まれる。
クルヴィスはその姿を脳裏に叩きつけて記憶していく。

(背中、正面の配置は記憶した。後は…)
 狙いは一つ。全身に備え付けられたMCSシステムの破壊。魔力吸収を抑え、魔力を『使わずに』跡形もなく破壊する事。
ブレイドの能力は管理局員に対して無類の強さを誇る。

だがそれも『普通』ならば通じる話だ。

ベルカ式の魔導士達は自分、又は武器を強化しての戦闘が主となる。だがミッド式は魔力を弾丸や砲撃として撃ちだすのが基本、魔力圧縮が重要だ。

クルヴィスは魔力圧縮が得意であるが、射撃等には向かない。だからこそ唯一極めた幻術魔法のみが彼の武器。
しかし、極端に消費の大きい幻術魔法は逆に言えばブレイドの格好の餌。なおかつ一方的に不利になってしまう。

《妙な奴だな。魔力を大して使わんくせに俺の体を破壊するとは》
「生憎と、子供の頃から武道を習わされててね。槍の扱いなら負けない自信がある」

武道。地球でのみ確認される侍の技、己の技術を用いて戦い、生き残る為の術。
 柳家は代々武士の血を継ぐ者として生まれた息子又は娘に武術を教える習わしがある。

それは、ハーフのクルヴィスも例外ではない。

幼少より全身にたたき込まれてきた生き残る為の技、それは魔力の使えない武士が使ってきた。故に、例えどんなに保有魔力が無くても戦う事が出来る。

柳流夢幻槍術。

その十八代目後継者としての確かな実力をクルヴィスは持っているのだ。

「お前の弱点は見つけてあるんだけどね」
《俺に弱点?遠距離攻撃が出来ない事か?それとも近接武器しかない事か?》
「一つはお前の性格だ」

ガキィン――!

穂先を下げ、ブレイドの剣を弾き上げて飛びながら槍を回転させる。高まる威力、上がっていく遠心力を頭部へ叩きつけて将を討つ。

「飛車(とびぐるま)ぁ!」

薙払いが首から上を殴り倒すような衝撃と切れ味で引き裂く。首のなくなったブレイドが後退り、それを機に攻める。

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