魔法少女リリカルなのはLOST Battle
三ページ
大魔力を広範囲に渡って放出するはやてにはなのはやフェイトの様な空戦は出来ない。魔法を使う時も立ち止まって射たなければならない。だから前線ではなく、後方支援に撤している。
しかし今はリインとユニゾンした状態だ。
『フリージング、ダガー!』
凍結効果を持たせた小型のナイフがシャドウへ飛びかう。防ごうとすれば瞬く間に凍る為避けるしかない。
距離を詰められる前に、はやては詠唱を終わらせる。チャンスは一回だけ。失敗すれば次は無い一発勝負。
「アーテム・デス・アイゼス!」
氷の魔力結晶を四つ打ち出し、周囲を凍りつかせる。遺跡の入り口、破壊されたドールの破片が急激に冷やされていった。
絶え間なく放たれる氷の刃にシャドウが苦戦している隙に次の準備を始める。
「なのはちゃん、ちぃと借りるで。十年前の魔法」
はやての周囲に白い光球が浮かぶ。拳程の大きさの魔力弾。
「数多の星屑よ、空を駆ける流星となれ。アクセルシューター!」
自分なりにアレンジし、誘導弾ではなく広範囲へ向けた直射弾。
《ちっ。随分な弾幕じゃないか…だが!》
シャドウの姿が消える。
『はやてちゃん、上です!』
「そこ!」
上空から急速落下しながらカゲギリに魔力を込め、はやてを狙う。地面は凍りつき氷河期の様になっている。
《はぁぁぁぁぁっ!》
(上手くいって!)
はやてのアクセルシューターの数個がシャドウの背後、上空に固定された。
「いけぇっ!」
《くッ!?》
突然の弾幕にシャドウが全身を撃たれながら凍りついた地面へ落とされる。
至る箇所がへこみ、黒煙が挙がっていた。
《まだまだぁ!》
ガッ!と突然脚が固定される。視線を向けると右手と両足が氷に埋もれていた。
『フリーレン・フェッセルン!』
「響け終焉の笛…!」
かざしたシュベルトクロイツに魔力が集まる。白く輝くベルカの魔方陣、足元に描かれるミッドチルダの魔方陣。
《くっ…!》
シャドウは必死にカゲギリを起動させようとするが、完全に氷に覆われてしまい身動きが取れない。
「そこを、退けて貰うで!」
ベルカの魔方陣が光る。そして、三種の魔力が交ざり合ったはやての持ちうる中で最強の魔法が放たれた。
「ラグナロク!ブレイカァァァッ!!」
光が迫る。全てを消し去る最大級の砲撃を回避する手段は無い。
《…チッ》
一瞬だけ。シャドウはライダーの面影を見た。
《ジャケットアーマーパージ!》
爆発がドールを吹き飛ばし、森を薙払い、地面を抉って何もかも吹き飛ばした。
残ったのは何もない、クレーターだけである。
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