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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
二ページ
《ファルドはお前達にこの戦場へ来て欲しくなかった!自分の決着に巻き込みたくなかった!だからこそ、あの男は!》
折れた刃が廃棄され、中から現れたのは初期型のカゲギリの原型。
MCSから流された魔力を吸い込み、大型の刃を纏った黒い剣がシグナムに触れて爆発する。

「うぁあああっ!?」

《この楽園に、悪夢へ二人だけで乗り込んだ!そんな事も理解しないで、ファルドの戦いを邪魔するなぁ!》

「シグナム!?」

土煙と爆風の中で、シャドウははやてへ激昂の言葉を叩きつける。


《…行った所で、足手まといだ。此処で諦めろ》

「…それでも、嫌や。どうしてなん?そんなにファルド君の事を分かっているのに、何でシャドウは戦うんや!」
《それがファルドのもう一つの願いだからだ》

「え…?」
シャマルが傷ついたヴィータとシグナムを回復させ、ザフィーラはドール達を相手していた。そんな中はやての小さな呟き声がかき消される。

《対管理局魔導師の最後の切り札、それが今ファルドの相手しているヴォイドの役目だ。お前達では止められんよ》
「なら、尚更…」
《まだ分からないか。『だからこそ』戦わせたくないと言っているだろう》

「―――!」

漸く、シャドウの言葉の意味が分かった。やっとこの防衛ラインの理由が理解出来た。


「そんな…それじゃ…!」

《あぁ。俺の役目は、はやて。お前達を食い止める事だ。それがファルドの願いであり、望みだ》


ヴォイドが相手では自慢の守護騎士達も怪我では済まされない。はやて自身の命も危険極まりない。だからファルドは被害が広がる前に、自分自身の命を掛けて遺跡の最奥、玉座の間で戦っている。

「…どうして…ッ!?」
《それだけ大事なのだろう》

「…?」
《先輩として、お前の様な夢を持った将来性のある奴が》

自分の部隊を持ちたい夢がある。それを終わらせたくない。

《…さぁどうする。これでも通るか!》

「うち、は…うちらは…機動六課は……!」
シュベルトクロイツを握りしめ、歯を食い縛り、苦渋の決断を下した。それだけの思いがあるのは解る。それを裏切ってしまう自分の決断が間違っていても、今は皆がそう願っているのだから。


「機動六課は、前へ進む!ファルド君の下へ、絶対に行く!!」

《それが答えか、なら容赦はしない!》

「リイン、時間があらへんから一気に決めるで!」
『はいです!』
(一撃で決める。もし失敗したその時は……うちも覚悟決めなあかんな)
夜天の書がひとりでにページを開いていく。シャドウは脚の車輪を回し、はやてに向かって走りだした。

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