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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
一ページ

 青空が世界を覆う。その空を守る事はどれだけ難しいだろうか。きっと誰も分からない。もしかすると不可能かもしれない。
だけど、その為に作られた一人の青年がいる。その為に生きる事に疑問を持たないエースがいる。

仲間を思い、笑顔を愛し、優しいエース、ファルド・ヴェンカー。


そんな彼にはいつだって相棒がいた。喧嘩っ早くて、気が短くて、心配性のクラッシャー。

ロア・ヴェスティージ。

破壊する為の力を持った青年。全てを打ち砕く事が出来る拳を持つ紅蓮の破壊者。クリムゾン・オブ・クラッシャーの二つ名を与えられた管理局の【赤い鬼】


蒼天の守護騎士。ブルースカイ・ガーディアンナイト。

かつて古代ベルカの繁栄期、聖王が猛威を振るっていた時代に青空を愛した者達の願いを具現化した唯一の対抗手段。


二人の因果は数奇にも引き寄せられ、手を組み、背中を預け合う仲間として戦っている。

悪夢を。朽ち果てた楽園を。


もう二度と蘇る事が無い様、


その青空から消し去る為に。


蒼天の守護騎士が世界に在る限り


澄み渡る空に、悪は似合わない。


だから戦い続ける。


彼の影も。





「ヴィータ!?」

《一斉放火!目標敵部隊長、狙え!撃てぇーっ!》
 シャドウの指示を聞いたドールが一斉にはやてを狙って大砲から魔力を放つ。シャマルが防御したお陰で何とか防ぎ切れたが、かなり魔力を削られてしまった。

「あたしは、問題ねぇ…!」
破壊されたグラーフアイゼンを握りしめ、ヴィータが呻くが紅いバリアジャケットはシャドウの一撃でボロボロになっている。

「はあぁぁっ!」
《まだ残っていたか!》
 落とされたはずのシグナムが奇襲を仕掛け、カゲギリで防がれ鍔迫り合いが続く。

「アギト!」
『おうよ、炎熱強化!』

一層赤く燃えるレヴァンティンにカゲギリが悲鳴を挙げてひび割れた。シャドウは武器を手放し、素手で殴り掛かる。

「くっ、思い切りのいい奴だ」
《ふん》

「赤き刄よ、結晶となりて空を走れ。ブラッド・スティンガー!」
 はやてがドール達に赤く輝く大型になったブラッディダガーを撃ちだす。ほとんどのドールが破壊され、残るは約二十体。

「いい加減にそこをどいて!うちらはファルド君を助けたいんや!シャドウもコピーなら解るはずやろ!」

《貴様達のその思いが、あの男にとってどれだけの苦痛か考えた事があるのか!》
カゲギリを持ったシャドウがシグナムを蹴散らす。MCSで出力を強化された攻撃がレヴァンティンに押し迫る。

《何故何も言わず去った!何故貴様達に協力を求めなかった!どうして気付かない!どれほどファルドがこの戦場からお前達を遠ざけたいと思った!答えろ!》
ひび割れたカゲギリの刃が折れると同時に、シグナムもまたデバイスを破壊されていた。

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