魔法少女ﾘﾘｶﾙなのはLOST Battle
プロローグ
最後の戦いに行った兄がいる。血が繋がっている訳じゃない。ただ自分がそう呼びたいから呼んでいるだけだ。
馬鹿みたいに無茶をして、馬鹿みたいに強くて…
馬鹿みたいに、優しくて…
「おぉぉぉぉぉっ！！」
馬鹿みたいに、格好よくて…
《無駄だと気付けないか三流！》
馬鹿みたいに…世話になって。
「お前には分からんさ」
そんな兄に、何一つしてやれなくて。
「デバイスマイスター舐めんなよ！」
そんな自分が、情けなくて。
《嘘しか言えん奴が何を》
悔しくて、憎たらしい。
だから俺は、
「長生きの秘訣教えてやろうか？…自分に嘘つかない事だ」
誰よりも素直にあの人に着いていく。
惚れた？いいや、違うね。
俺は、憧れただけさ。
そんな馬鹿正直に自分の道を信じて突き進むエースの生き方に！
――戦った敵が居ました。
私よりも速くて、強い敵。
全身が武器の機械仕掛けの人。
何度も戦って、何度も負けて…
遂に勝ち取った勝利は、何だか悲しくて……
《タイプゼロォォォッ！》
もう、一緒に走れないと思うと寂しくて…
「うぉおおおおっ！！」
「スバル！」
あの時、ちゃんとした言葉が言えなかった自分が悔しい。
だけど、二人に約束した。
ライダー。マッハキャリバー。
最後まで、私はこの空を走るんだって。
今思うと、もしかしたら私は…
誰よりも速く、仲間思いで私達みたいに人間じみたライダーの事が好きだったのかも。
――諦める事をしない奴が居る。
どんな無理でもやってみせる相棒が居る。
昔からそうだ。いつもいつも自分ばかり無茶をやって…
俺が無茶をやる暇なんか与えてくれない大馬鹿野郎。
「…ッー…！」
まぁ、それがアイツのいい所なんだけどな。
人の苦労も知らないで、毎回ハラハラさせてくれる。
だが信じてる。必ずそいつは…
「人の頭いきなし射ちやがって、何を考えてやがる」
諦めない限り負けない。
そんな馬鹿みたいに頑固で周りを見ない最強の相棒に、
裏切らない俺の拳に、負けない様に。
俺は全力で道を塞ぐ障害を一つ残らず粉砕する。
それが、百戦錬磨の俺の拳に出来るアイツへの答えだ！
様々な思いが戦場を駆ける。
誰かの為に。自分の為に。
正義の為に。信じる為に。
負けない為に。
勝つ為に。生き残る為に。
自分が正しいと思う道を走る。
魔法少女リリカルなのはLOST Battle
この戦いの果てに、機動六課は何を失い、そして……
エースは、何を無くすのか。
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