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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
七ページ


《……ぬんっ!》
地面に深く突き刺さった体を抜いたブレイドが起き上がる。バスターは既にエデン周辺を警戒していた。

《随分時間が掛かったな》
《ふん、馬鹿力で埋まっていた所為だ。状況は》
《ファルドとロアは既に遺跡に向かっている。俺達はこのまま侵入を阻止し続ける》
《そうか》
《幸い、この混乱に乗じて管理局が介入してきていないがな。だがもうじき激戦区となる》

《それまでは退屈だな》
バスターは全身の武装を構えたまま警戒を続けているが、ブレイドは腕を組んで周囲のドールを連れたまま空に浮かぶ。再び組まれる最強の剣と盾の二重防衛。



《本部は狙わないのか?》
《シャドウに何か作戦があるんだろう》
《……》
 空高く聳える管理局の地上本部を睨みながらブレイドが武装を構えた。何を思ったかお手玉を始め、暇を持て余す。
















――地上本部前・防衛ライン



「………」
 クルヴィスは槍を担いだまま壁に背を預け仮眠していたが、朝日と同時に眼を覚ました。スバルやナンバーズはまだ睡眠している。

「今の所襲撃は無し…」
他の部隊も交代しながら周囲の警戒に務めていた。クルヴィス自身の部隊は現在エデン周辺で待機させている。だが決して攻め込まない。あくまでも監視役としてだ。

 海上の部隊に通信を繋ぎ、クルヴィスは状況を聞き出す。若干寝呆けていた頭が一気に覚めた。


「こちら本部前、柳クルヴィス三等陸佐だ。現在の様子はどうなってる」

『は、はい…信じられない事が起きました…』
「なに?何で連絡しなかった」
『すいません。ですが…自分達が夢でも見てるのかと…』
「内容は…?」


『約二時間前に敵の防衛を突破・エデンに突入する魔導師を確認。数は二つでした。現在は本拠地目指して進行――』
クルヴィスはそこで回線を切った。何となく、本当に何となく嫌な予感が悪寒として背中をなぞる。


機動六課、部隊長室に回線をすぐに繋いだクルヴィスは知らず知らずの内に声を荒げていた。


「八神部隊長!そちらは何やってんですか!あれほど眼を離すなって言ったでしょうに!」

『え、ちょ、ちょっと何なんいきなり?』

「そちらの馬鹿が約二名程勝手に敵陣に突っ込んでるんですよ!ったくいつの間に……」

『……!!』
向こうから回線を切られ、クルヴィスは周囲に待機している防衛部隊に指示を出す。ナンバーズ達を起こし、防衛ラインを上げる事にした。



(あの、人は…本当に大馬鹿野郎なんだから!死なないで下さいよ、ファルド一佐…!)
 今すぐ部隊を動かす必要がクルヴィスにはある。


嵐を控えた前は、決まって静かなのだから――

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あきゅろす。
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