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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
五ページ
その前に立ちふさがる迎撃部隊のドール達は最小限破壊しながら突き進む。
近接ドール達の攻撃を避け、カウンターで壊しながら突撃する。

「ったく邪魔くせぇ!さっさとどきやがれぇぇ!」
一体の腹部に拳を突き刺し、振りかぶると身長の程はあるドールを前方へ投げつけて誘爆させた。
頭を踏みつけ、飛び移りながら着地地点のドールの頭部に踵落としをやって破壊する。



「……」
ファルドは慣れた様子でドールの剣を受け止め、足で踏み防ぐ。宙返りしながら二体の頭部を破壊し、二刀流で更に腹部を斬り付けて破壊する。

「苦い思い出ばかりで嫌になる……」
背後から切り掛かる一体の身体にケルベロスを突き刺す。

「MCS」
ドールの体内にある魔力がMCSで吸い取られていき、ファルドは引き抜くと二挺に別けて構える。

「テンペストブレイク!」
無数の魔力弾を自分の周囲に浮かばせて回転しながら引き金を引いていく。

「ファイア!」
魔力弾から針のように細いレーザーが飛んでいき、ドール達の全身を撃ち貫いた。

「相変わらず数だけは多、い…!ゴホ、ガハッ…!」

ファルドは血を吐くが、すぐに拭う。MCSで出来る限り使用する魔力を節約していた。

「ハァ…ハァ、早く…行かないとな…」

「ファルドッ!」

後方のドールが吹き飛び、爆散していく。ロアはドールを投げ飛ばして周囲をあらかた片付けるとファルドの傍に駆け付ける。


「無事か?」
「まあな…」
遺跡まではまだ遠い。二人は走りながらドールを倒しつつ進んで行くが、ふと途中からパタリと敵の攻撃が止んだ。疑問に思い立ち止まる。

「なんだ…?」
「さぁ…何かあるかもな。ロア、気をつけて行くぞ」
「了解だ」
注意しながら走り、遺跡に近づいていくとファルドが止まり、ロアも遅れて止まる。

「ロア」
「あん?」
と、いきなり銃口を向けられるが慌てた様子もなくロアは避けた。外れた弾丸は何も無い場所を撃ち、爆発した。

「…どうやら」
「囲まれた、てか?」
二人の周囲から景色に溶け込んでいたドール達が大量に現れる。ステルスジャケットで身を潜めていたのだろう。
近接、射撃のドール達が統率の執れた動きで武器を構え始めた。

「ファルド」
「あぁ。動きが違う」
「…となると」
「シャドウが近くにいる」
 恐らく指揮範囲内なのだろう。だとすれば今までの有象無象のドールとは違い苦戦する。
しかし、二人の表情には余裕すら伺えた。


「この程度で止める気か」
「へっ、全然足りねえな」
夜が明けていき、朝日に照らされてデバイスを構え直す。

「シャドウ!聞こえてるか!俺を…いや、俺達をどうしても止めたいと言うなら!」
「この程度じゃ足りねえ!大陸一つだろうが生温い!」


『世界の一つは持って来い!!』

高らかに宣言する。その言葉は、背中を預け合える相棒がいるからこその言葉だった。

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