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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
三ページ

初日は管理局の敗北に終わった。突入部隊から送られてきた決死の映像では、防衛部隊の先陣を切っているのがブレイド。弾幕を張り、迎撃部隊の先頭にはバスターが待機している。
最強の剣と盾の二つを突破するのは並の部隊には不可能だ。



大勢の被害者を出して夜を迎える事となるが、管理局の反撃は二日目から始まる……














「…………」
目を覚ますと医務室のベッドで寝ていた。

「ん……」
「……なのは?」
倒れた後看病でもしてくれていたのか、寝ている。そっと脚をずらして毛布を掛けてやり、音を立てないよう静かに出ていく。
頭痛と目眩がするが、やがて治まった。六課の玄関を抜ける。夜空を見上げると、星が輝いていた。

「………」
「どこ行く気だ半死人?」
「ロア…なんだ、起きてたのか」
「……」
倒れたのが嘘の様にいつもの調子を見せるが、どれだけ無茶をしているのか知っている。

「ならお前はまだ生きてんだな」
「…あぁ。アレを片付けるまでは死ねないな」
「一つ聞かせろ。どうしてそこまで出来る」
「………ロア」
「あん?」
ファルドは振り向くと、優しく笑った。滅多に見せない笑顔は、やけに安心させる。大丈夫だと、そう思わせてしまう。

「俺のやり残した事だからだ。終わらせない限りあの日犠牲になった隊員達に申し訳が立たない」
「……」
「馬鹿野郎だって笑って構わない。機動武装隊三番隊隊長、管理局の人間としてそれだけは終わらせないとな」
「……そうかい」
「…後は」
機動六課を見上げ、ファルドは目を閉じて被りを振る。

「お前も『先輩』として、らしい所見せないとな。後輩に押しつけられないだろ」
「言えてるな……なら、そろそろ行こうぜ相棒」

「…そうだな。ケルベロス」
「行くぜクトゥルグ」

『セットアップ』

二人はバリアジャケットを纏う。誰にも言わず、ただ自分達のやるべき事をやる為に。

「ロア」
「何だよ」
「お前と一緒に飛ぶのは、コレが最後になるな…」
「……そうだな」
苦々しく頷く。認めたくないが、ファルドはこの戦いで本当に最期にするつもりだ。
そんな言葉は聞きたくなかった。

だからこそ。

「俺は、最期までお前の傍に居てやる。だから絶対に終わらせろ」

止める気は無い。

「エース・オブ・ストライカー」

「……ありがとよ」

ファルドの邪魔をするのなら、管理局でも敵に回す覚悟をしてロアは六課から飛び去った。



全てに終焉の幕を閉じる為に。

たった一人の家族と。

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