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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
一ページ

「ファルド、おい!」
「ロア隊長落ち着いて。ファルド一佐は医務室へ、突入部隊は別指示が出るまでは―」
『クルヴィス三佐』
「何!今忙しいんだけど!」
『先程海上観測航空部隊が全滅しました。地上の部隊も展開し始めています』
「了解、本部付近には俺と六課隊員数名連れて行くまで待機。エデン突入部隊は周辺待機以上!」

『はっ!』
通信に素早く応じると、髪を掻き珍しく苛立った様子を見せる。

「……とりあえずナンバーズとスバルは俺と一緒に本部前に移動。突入部隊はここで待機しておいて下さい。八神部隊長、指揮をお願いします」
「はい」

「皆、気をつけてね」
「勿論です。なのはさん達も」
「うん、ありがとう…」
 本部防衛部隊が出ていった後、医務室に集まった全員を包んだのは重い沈黙だった。
シャマルの診断では今日中には目を覚ますが、いつになるか分からないらしい。

「土壇場でコレかよ…しっかりしろ馬鹿野郎」
「ロア」
「分かってる…」
「……」
はやてが落ち込んでいるのは無理もない。こんな体にしたのは他の誰でもなく、自分だからだ。
なのはも。あの時止めていれば、少しでも自分が無理をしてでも戦っていれば。

こうはならなかったはずだ。二人の胸を罪悪感が痛め付ける。

「…で!部隊長!どうすんだこれから!」
わざとらしくロアは大声を出した。ビックリしたが、はやてはとりあえず待機する事に。

「おいここは…!」
「分かってるわチビ助」
「チビって言うな!」
「ヴィータ」
「医務室では静かに。それに今は……」
「……」
シャマルはファルドに目配せをする。全員再びそれで黙ってしまった。

「安静にしておかないと…それに、今まで言えなかったけどファルドさんには時間がないの…」
「シャマルさん…それってどういう…」
聞きたくない。だが聞いてしまった。なのははそれがどれだけはやてを傷つけるかも知らず。

「治療設備の整った場所でなら治る。だけどここの設備じゃ足りないの……このままここで治療をするとなると…持って後二三年…」

「…………」
誰もが息を呑んだ。ロアも知らなかったのか、唖然としている。

「そんな、体で…戦おうとしてんのかこいつ……」
ヴィータは驚愕半分呆れ半分といった様子で呟いた。治る傷を治さず、ファルドは戦おうとしている事を知ったはやては余計に自分を責めた。

「うちの…うちの所為や…あの時捕まった所為で…」
「はやてちゃん…」

「泣き言ほざかねぇで、今自分がどうすりゃいいか考えろ!なっちまったもんはしょうがねぇだろうが!こいつは自分の意志で戦うってんだ!グダグダ言ってんじゃねぇ!」
ロアは怒号をはやてに向ける。シグナム達は止めようとしたが、出来なかった。

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あきゅろす。
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