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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
十ページ

 何も起きない日々が続き、そんな中ファルドの体は徐々に衰弱していく。しかし、本人はそれをひたむきに隠し続けていた。

これ以上心配はさせられない。

時間も無駄に出来ない。

「クルヴィス、ソニックウインドみたいなデバイス作れるか?」
「はい?何でまたいきなり。元のデータがあれば見よう見まねで一週間位で出来なくはないですけど……」
「なら頼む。スバルにいちいち許可貰うの大変なんだよ」
「分かりました」
そう言って背を向けたクルヴィスの足が止まる。

「…何に使うんですか」
「単なる移動用だ。何かと便利だからな」
「そうですか。俺はてっきり『一人で乗り込むつもり』なのかと」
「――いくら何でも、それはやらない」
「ですよねー」
裏の見えない不安を煽る様な笑顔と共に、クルヴィスは再び歩きだした。いつもだが、人の核心を突く様な一言がポロリと出てくるのが怖い。
 胸を撫で下ろしたファルドはひとまず仕事をやろうと思いオフィスに向かった。




そこではなのはとナンバーズが黙々とデスクワークに勤しんでいたが、進行具合が絶望的なのがいる。スバルとノーヴェの約二名。

「……遅っ」
「うっ、苦手なんです……」
「……文句あんのかよ……」

「半分渡してくれ」
二人から渡された半分の量はまさに一人分。二人揃ってまだ半分しか終わって居ない様だ。
さっさと終わらせようとやっていたのだが、ものの一時間も経たない内に終わってしまった。

『早っ!』
「ん?アレ?本当に半分か?」
 デスクワークを手伝っていると、六課のアラームが鳴り響く。その後はやての号令によりメンバー一同がロビーに集まると、備え付けられている大型モニターの映像にシャドウの姿。

全員の緊張が高まる中、管理局に対する堂々とした宣戦布告がされる。


『この放送を見ている全地上管理局員に告ぐ。我々は残りうる全戦力を持って地上本部、並びに地上の全戦力に対して戦争を仕掛ける。忌まわしき古代の大陸、忘れ去られたこのエデンの悪夢と共に』

「ファルド、アイツ等ようやく動くみたいだが…どうする?」
「決まってる……戦うだけだ」


『…見ているだろう?ファルド・ヴェンカー。管理局屈指のエースであり、一流のストライカー』

「ああ、しっかり見てるさ…」


『これが最後だ。必ず貴様は…』
「これで最後だ。必ずお前は…」


『私が倒す!』
「俺が壊す!」


画面越しながらも二人の宣戦布告の声は相手に伝わった。


そんな姿を、なのはは心配そうに見つめていたのにファルドは気付かないまま………



管理局屈指のエースオブストライカー、ファルド・ヴェンカーの最期の戦いが始まった。

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あきゅろす。
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