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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
七ページ
黒き衣を纏いし青年。それは、管理局から自分に与えられた部隊が追っている人物で間違いないだろう。

「まぁ…何となく黒き衣を纏いし青年は分かる。けど、作られし人形は…?」

「まだ続きがあるの…」
そんなはやての疑問に答えるべく、カリムはもう一枚のカードに書かれている内容を読んだ。

「立ちはだかる壁は汝、最たる障害と成るは影。戦友(とも)を失いし傷みを知り得た人形、正義の刃を打ち砕かん」

「う〜ん、何だか厄介そうですね〜」
リインが頭を悩ませながら口を挟む。

そして、部屋を包む暗闇が明かりへと変わってカリムは向かい合う様に椅子に座った。

三人の顔色はさほど良くない。はやては新たな予言への困惑。リインも同様だ。

だが、誰よりもカリムの表情は暗い。

――『預言者の著書』プロフェーティン・シュリフテン

それは、特に大規模な事件に関しては高い的中率を誇る。

解っていながら、カリムには何も出来ない。その事が重くのしかかり、沈ませる原因となっていた。

「どんな予言やろうと大丈夫や、まずは目先の事から片付ける。今うちらが追っているのも予言に出てきた黒い青年やからな、すぐに捕まえたる。だから心配せえへんで大丈夫や」
 元気づける様にはやては明るい口調で言いながら少し冷めたお茶を飲む。


「そうね。それで事件が終われば良いんだけど…」
「はぁ〜……カリム、そんなにうちが信用出来へんか?」
「あ、えっ。別にそういう訳じゃ…」

「なら、大丈夫や。うちはカリムを信頼しとる。カリムはうちを信頼しとる。それでええやないか」

微笑みながら互いの信頼を口にし、前向きな意見を通すはやてにリインは嬉しそうにしている。

そんな二人を見ていると、何があろうと大丈夫だと思えてくるカリムだった。

「話は終わり?」
「ええ。ごめんなさい、わざわざ知らせる為に呼び出したりして…」
「あはは。構へんよ、ならうちは宿舎に戻るな」
「またですぅ」
お茶を飲み終えたはやてはWARS宿舎に戻ろうと、カリムに別れの挨拶をして聖王教会を後にする。

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あきゅろす。
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