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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
六ページ
 扉をノックして開ける。軽く会釈すると、カリムの向かい側に座った。シャッハはお茶の用意をして二人の前に置く。

「悪い。何か突然来て……」
「別に構わないわ。今日は…」
「いや、特に用事らしい用事は無い。なのはの付き添いだ」
「そう」
微笑みながらカリムはお茶を飲んだ。ファルドも一口飲もうとするが、右手が痺れたように動かない。しかし、それもすぐに収まるとカップを持ち上げて口に含む。

「………」
その様子を見ていたカリムの表情が曇った。

「カリム。俺の体の事は聞いてるか…」
「ええ。クルヴィス三佐から…」
「そうか…」
「今回の事件の事も、ちゃんと聞いた……」
「そうか…」

「ファルド」
「なんだ。言っておくが、下がる気は無いからな。今回の事はしっかり自分の手で決着つける」

それだけは譲れない。どれだけ危険な状況だろうと、それだけは絶対に。管理局の人間として。

「それじゃ……約束して」
「何をだ」
「必ず、帰ってくるって…」

「言われなくても、当然だ。俺は管理局の」
「エースオブストライカーだ」

「…台詞取るなよ、全く……」
何だか気恥ずかしくなってファルドは頬を赤らめた。カリムは何がおかしいのか、クスクス笑い始める。

「そういえば、なのはは教会に何しに来たんだっけ……」
「ヴィヴィオちゃんに会いに来たんでしょう」
「ヴィヴィオ?」
「なのはさんとフェイトさんの子供ですよ」

「……女同士で子供出来たっけ」
 誰もがする勘違いをしているファルドに、二人は順を追って説明すると納得したようだ。紛らわしいとぼやいていたが。シャッハが会いに行ってみるかと言うので、着いていく。
一人残ったカリムはお茶に映る自分の顔を見つめて、胸の中の気持ちを伝えられなかった事を後悔した。

もしかしたら、今日が最後かもしれないというのに。












「ほら、あの子ですよ」
「なのはと遊んでるあの金髪の子か。髪の色はフェイトとなのは足して二で割った感じだな」
何となく見覚えがある気がするが、楽しそうに遊んでいる二人の元へ向かう。無邪気な子供にしか見えない。

「シャッハさんお久しぶりです」
「なのはさんこそ。元気そうで何よりです」
「…………」
「…………」

「ファルドさん?どうしたの、ヴィヴィオじっと見て…」
「いや、別に…」
 ヴィヴィオもファルドを見て固まっている。恐らく分かっているのだろう、目の前に居る人物が自分の天敵であると。

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