魔法少女リリカルなのはLOST Battle
五ページ
――機動六課廊下
「……いきなり休みって言われてもなぁ」
「作戦会議終了直後に言う辺り気が抜けるよな……」
突然の休暇にどうするか悩んでいると、隣にロアが並んでくる。先程の質問はもう忘れたか諦めた様に振る舞っていた。
「で、どうすんだ?この後」
「別に。考えてない。ロアは」
「ん?フェイトと適当に街でも行くつもりだが?」
「切り替え早っ!」
「せっかくの休みだしな。ゆっくり過ごさせて貰う」
「ロア」
「フェイトか。じゃあファルド、また後でな」
「ああ、楽しんでこいよ」
二人を見送り、どうするかを考えながらとりあえず階段を降りる。
「ん〜〜〜………」
「ん〜〜〜……」
『んぅっ!?』
考え事でもしていたのか、なのはとぶつかりそうになった。目を白黒させて立ち止まる事数秒間。
「なのは…?」
「ファルドさん。どうしたの?」
「やる事なくてどうするか悩んでた。なのははどうするんだ、この後」
「聖王教会に行こうかなって。予定が無いならファルドさんも一緒にどうかな?」
「まあ…別に構わないが…」
「顔引きつってるけど……」
「条件反射みたいな物だ。あんまり気にするな」
移動するのに車が必要だが、生憎とファルドが持っているのはバイクの免許。仕方ないのでスバルからソニックウィンドを借りて二人乗りすることに。
移動自体はあっという間に済んだが、消耗の度合いが酷かった。
「ファルドさん大丈夫?」
「……疲れた。ゆっくり休む」
到着した途端グッタリと力尽きてそのまま中庭のベンチに倒れてしまう。
「ちょっと待っててね。今飲み物持ってくるから」
「いや、いい…自分で行く…それより早く会いに行ってやれ」
「うん、それじゃまた後でね」
なのはを見送った後、ファルドは体を起こして仰向けになると眼を閉じた。目眩がする。頭も痛い。どうも魔力を使い過ぎると体の調子が悪くなるようだ。
(……こいつは、生きて帰ってこれる望みが薄くなってきたな)
そんな事を考えながら体を起こすと、シャッハが教会の廊下を歩いているのを見つける。ついでに顔ぐらい出しておこうと思いふらつく頭を抑えて歩き出す。
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