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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
十ページ

それでも、バスターは使命を果たそうと立ち上がる。しかし、足元に浮かぶ召喚陣がそれを遮った。

《ドクター!何のつもりですか!何故俺を!》
『シャドウは生きている』

ファルドは既に脱出している。バスターはただ一人残されたまま不満を口にした。

『私の夢はまだ終わらない。そして、その計画にバスター。君は必要だ』
《ですが…》
『ノルドも、レイスも最終プランの実行に移っている』
《……》
『私の夢はシャドウが果たす』
《…了…解》

『さらばだバスター。後は任せたぞ……』
 バスターが召喚陣によって消える。ハインセルドはコントロールパネルを弄り、最後の制御を自らの操作に切り替えた。






「ファルドさん!」

「なのは、はやてを頼む」
「ファルド君は?」
 はやてをなのはに預けたファルドは指で叫び声を上げる化け物を指す。

「まだ後始末が終わってないからな…」
走り出すとすぐに空に翔んだ。ハインセルドは地上本部に狙いをつけるが、ファルドがその前に立ちふさがる。




『ふ、ふふふ…くくく…!』
「何がおかしい…」
『ああ、やはり素晴らしいなその力!だがそれも終わりだ!』
 獣が口を開く。その中にミッドの魔方陣が浮かび、全ての魔力が溜まっていった。

『この一撃で地上本部ごと消え去るがいい!!』

「…生憎と、まだ死ぬ予定は無いんだがな!」
ファルドは剣を掲げる。

「…蒼天を汚す者、断罪の光の元に…!」
魔力が高まり、ベルカの魔方陣が現れた。ファルドの前に、盾になるような形で。


『ラグナロク・ブレイカー!!』


「悠久に消えろ…エターナルブレイカアァァァァァ!!!」


白い光と、白い光がぶつかり合う。圧倒的にハインセルドの一撃が勝っているかに見えたが、ファルドはそれを押し返す。


その様子を鳥肌を立たせながらハインセルドは笑って見ていた。

『はは……はははは!!やはり君は世界を壊す力があったな!』

「おぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

『やはり君は────!!』

最期は言葉にならなかった。ファルドの一撃はナイトジョーカーの頭部を撃ち抜き、着弾地点から結界を作り出した。そして、包まれた十年前の悪夢が文字通り消し飛び、後には何も残らない。


一瞬の静寂。風が吹き抜ける。



「……さようなら──父さん」


ファルドは呟いた。涙を流しながら、黙祷を捧げ……


「ファルドさん!!!」

騎士服が解けていき、地面へ落ちていった。なのはとはやてが駆けつけると














ファルドは…呼吸をしていなかった。

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あきゅろす。
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