魔法少女ﾘﾘｶﾙなのはLOST Battle
六ページ
別方向から自在に襲い掛かる三本の剣の猛攻にシャドウ達は悪戦苦闘したが、すぐに無防備なファルドを狙い始める。
《子供騙し程度で俺達を出し抜けるとでも思ったか！！》
「だったら少し頭冷やせよ馬鹿野郎が！」
ブレイドは背後から左足を除いて四肢が叩き斬られた。その眼前でケルベロスが急停止急転換し更に体を切り刻む。
《ブレイド！》
シャドウがすぐさま援護に駆け付けた瞬間、一本が脚を掠めた。
ISで逃げようとするが、テンプレートの出現地点には既に残りの二本が待ち構えている。
「空を走る獣は三匹獲物は二匹」
ファルドの呪文が聞こえた。気がつけば三方を囲まれている。離脱しようとした頃には遅かった。
「…鎖を外された獣は獲物を貪り合う」
《SRASH FANG!!!》
視界から消えた三本の剣が無惨にシャドウとブレイドの全身の装甲を抉る。とどめを刺される前にシャドウはブレイドを連れてその囲いを抜け出した。
《ぐっ…！》
火花を散らせながらシャドウが毒づく。ブレイドはどうにか修復を終えると、すぐに武装を構えてファルドに襲い掛かった。
《貴様あぁぁぁっ！》
「YOU'a COOL To Head(お前は頭を冷やせ)」
ファルドの手元にケルベロスが集まり、すぐにベルカの魔方陣を組んでブレイドの一撃を防ぐ。
「ベルカの特徴は接近戦だ。それが理解出来ないお前は…」
《You'a fool(馬鹿ですね)》
一閃。ブレイドの体が両断された。ファルドの手元には一本に戻ったケルベロスが握られている。
《くっ…！》
『シャドウ、ブレイド。撤退したまえ、私とバスターで十分だ』
《ドクター！》
『何、問題無いさ。飼い犬のしつけは飼い主の役目だからね』
《了解……ブレイド。撤収だ》
《ちっ…！》
シャドウはブレイドの上半身を回収するとその場を離脱しようとする。が、ファルドはそれを逃がさまいと動いた。
『君の相手はこっちだ！』
「ちっ、邪魔をしやがって！」
しかし、触手の一本がファルドを襲う。なのはは防御を崩せず、砲撃を避けながら四苦八苦していた。やがて鞭のような一撃が直撃し、なのはを地面に叩きつける。
「なのはっ！？」
『よそ見とは余裕だな！』
一瞬気を取られ、砲撃を掠めたファルドも落ちていった。大量の魔力を消費した所為か防御も疎かになっている。
「…はやて、ちゃん……！」
なのははレイジングハートを杖代わりに立ち上がった。
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