魔法少女リリカルなのはLOST Battle
四ページ
──地上
クルヴィスは部隊を動かして街の復興作業を進めながらショートして壊れたルーツとロードを調べていた。
「ふぁ〜……まあ意思の無い戦闘機人みたいな物かな…?これなら修理してプログラムを弄れば…」
二体の今後の扱いを考えていると、突然地上全部が揺れる様な大地震が起きる。クルヴィスは即座に作業を中断させ、異変を確認した。空を見上げると、白い巨大な召喚陣が浮かんでいる。
クラナガンから離れているが、そのあまりの巨大さにクルヴィスも、部隊の全員が唖然とするしか無かった。
「おーいおい、寝呆けてるのかな俺は?…何ですかありゃ…総員作業中断!撤退準備だ!」
指示を出すとクルヴィス達の部隊はすぐに動く。地上本部に向けて退避する中で、召喚陣から現れる十年前に消えたはずの悪夢を見た。闇の書と呼ばれた古代遺物の、おぞましい闇を。
「ふ、ふふふ…遂に、遂にこの時が来た!私の悲願!そしてスカリエッティの成せなかったかつてない大事件を成就する時が!」
その内部、ナイトジョーカーの頭部に設けられたコントロールルームでハインセルドが叫ぶ。モニターに映される地上本部を睨み、不敵に笑う。
「バスター!準備はいいかね?」
《問題無し。いつでも行けます。コアの方も正常です》
バスターの体には無数のケーブルが繋がれている。首を動かして背後を見れば、騎士服を着たはやてが自らの魔方陣に磔にされていた。意識を失っているのか、眼を閉じている。
「ならば軽い挨拶といこうか」
《了解……》
はやてを魔力のフィールドが包み込み、リンカーコアとなる。そして、搭載されている火器は全てなのはのデータを元にされたバスターが管理している。
広範囲に長けたはやての魔力を、砲撃として撃ちだす。まとめられた威力は計り知れない。
バスターはISを作動させ、MCSを使い魔力を充填してプログラムを起動させる。闇の書の闇そのものがデバイスという兵器となっていた。
地上に着地すると、地震が起きる。そして、吠えた。その声に惹かれて地面から触手が生える。先端に着いている赤い宝石が地上本部を狙い、魔力が溜まっていく。
限界近くまで貯めると、バスターは引き金を引いた。余波で空気を震わせながら地上本部を掠める一撃は、堅牢な防御を削る。直撃したら恐らく自慢の防御は容易く壊れるだろう。
威嚇射撃は、シャドウとブレイドも傍で見ていた。獣の様な頭部の両脇で待機していた二人はその威力に圧倒される。
《流石の俺も、アレの直撃を受けたら消し飛ぶな》
ブレイドは畏怖の念を込めてそう言った。シャドウは何も言わずただ赤いマフラーを握りしめる。
(…ライダー。お前の犠牲は無駄では無い。それを証明する為に、地上本部は今日崩れ落ちるぞ)
だが、それを止める為に迫るエースが二人近づいていた。シャドウのレーダーがそれを察知し、ブレイドも気がつく。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!