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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
一ページ

「ファルドさん……」
「…………」
「ファルド…」
 二人の言葉が耳に入らない。考える事が出来ない。ただ呆然とするだけだった。

「…は…ははは…馬鹿みたいだな…結局俺は人形だったのか…あの男の手の平の上で踊ってた道化か……」
乾いた声。感情を捨てたような、うわごとの様にファルドは呟く。

「ファルドさん……」

「…ふざけんな……俺は……」
「……」

「俺は…ファルド・ヴェンカーだ!それ以上でもそれ以下でも!兵器ですらない!人形になんかなってたまるか……!ジェイル・ハインセルド!落とし前は着けるぞ…必ずな…!」

だが、魔力封鎖された室内に三人は閉じ込められている。ファルドは扉に向かい、ケルベロスを構えた。

「何するつもりなの?」

「…OVER FULL DRIVEでぶち抜く。体内で魔力を爆発させてケルベロスで扉を破壊する」

「無謀過ぎるよそんなの、それにファルドの体が…」

「なら大人しくここで消えるか?三人揃って、はやてを助ける事もしないで」

フェイトは思わず黙ってしまった。目的ははやての救出だ。

ファルドがOVER FULL DRIVEを発動しようとした直前、電子回線で通信が来た。

『相変わらず、無茶苦茶な方法しか思い浮かばないエースだな』

疲弊したような、弱った声。

「ロア!何処から…?」
 周囲を見渡すと、入口の隣にパネルがある。そこが点滅していた。恐らくそこから聞こえるのだろう。

『話は聞いた。自爆プログラムもな、多分駆動炉を爆発させるつもりなんだろうよあのくそったれは……』
「…どうするんだよ」

『俺が行く。ゆりかごの代わりに、破壊してやるよ駆動炉を』

アナウンスが迫る時間を無情に告げた。ロアは一方的に通信を切ると、エレベータの扉を壊す。



「…死にぞこないにゃ、丁度いい役目だろう…兄弟」
 どれほど気絶していたかは分からない。だが、つくづく頑丈な体だと思った。ヴォルケイノブラスターを食らって尚立ち上がれる。

奈落に繋がる空洞を飛び降りてロアは更にエレベータを蹴り落とし地下へ向かう。

(…確かこの下。丁度ファルド達の居場所の真下にあるはずだ)
頭の中で駆動炉の位置を思い出しながら壊れたエレベータの上に着地して目の前の扉を壊す。

開けた通路に出た傷だらけのロアを迎えたのは通路を埋め尽くす大量のガジェット達だった。

「〜♪。派手な歓迎会ありがとうよドクター」
ロアは腰に巻いたジャケットを解き、袖を通す。深紅の外套を翻し、広い袖口から拳を突き出す。

「始めようぜ、赤鬼の復活祭だ。俺を止められると思うなよガラクタ共がぁっ!」


『残り、二分』

紅い鬼神は駆け出した。脇目も振らず、ただ真っ直ぐに敵を粉砕しながら。

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あきゅろす。
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