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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
十ページ
 その頃のエース・オブ・エースもまた、敵の足止めを受けていた。

「っ……このままじゃ…!」

「悪いね。アンタが本部防衛側に回ると色々厄介なんで」
地上本部から少し離れた市街で、なのははノルドとルーツ、ロードの三人を相手に苦戦している。一刻も早く行きたいのだが、正確無比な砲撃と動きを妨げる誘導弾、そして近接の強力な連携を前に手も足も出ない。

「避けるので…精一杯、かな…!」

何とか戦局は膠着状態に持ち込んでいるが、さすがに辛いのかなのはの息も切れかかっていた。

「…さっさと終わらしたいね、こっち側も」
十字架を構え、ルーツの砲撃に合わせて高速直射弾を放つ。
ロードがなのはの動きを封じて離脱する。

「くっ……!」
「グラーフアイゼン!」

直撃コースだった一発を打ち返し、なのはに向かって飛んできた弾丸はノルドに返された。

「…ヴィータちゃん?」
「悪いなのは。向こうの片付けに手間取っちまった…」
「私も居るですよぉ」


「あらら……」

《……!》

「紫電、一閃!」

ロードが炎の剣撃を防いで後退する。ノルドは一度集合させると、頭を掻いた。

「シグナムさん…」
「思った以上に敵が多くてな」
「アタシも一緒だ!」
アギトもシグナムの肩の辺りに居る。
なのははレイジングハートを構え直すと、三人を睨む。

「これで五対三。今度はこっちの番だよ!」

「上等!ルーツ、ロード!行くぞ!」

白銀の騎士と深緑の砲撃者は首を縦に振ると、それぞれ狙いを定めた。

「こっちも負けられないんでねぇ!」

「お互い様!さっきのお返しさせて貰うよ!」

なのはとノルドは熾烈な射撃戦を繰り広げ始める。
ルーツはヴィータを狙い、砲撃を放つ。

ロードはシグナムに斬り掛かるが、アギトによって攻撃は届かなかった。

「アギト」
「おうよ!ユニゾン・イン!」

《……》
シグナムの容姿が変わり、手と脚の防具が金色に染まる。上着が弾け、背中に燃え盛る四枚の翼が現れた。

「リイン、アタシ等も行くぞ!」
「はいです!」
『ユニゾン!』
ヴィータの深紅の騎士服が白く染まり、魔力が上がる。

「くっそー。レイスが居ればなぁ…」
愚痴を溢すノルドの表情は何処か余裕があった。












 無人の瓦礫から起こる爆発。土煙が上がり、無機質な足音が静寂を打ち破る。
煙の中から姿を現したのは、不死身の紅い騎士。

破壊された面影はなく、開いていた装甲が閉じられる。


《ファルドと…クルヴィスと言ったか…成る程、楽しませるな…》
無機質な眼差しは、遠く離れた地上本部に向けられていた。

《次はこちらの番だ…システム解除》
バキン!と何かが外れる音が響き、ブレイドは両肩から柄を取り出す。
二本に魔力を通すと地上本部を目指して空を飛んで行った。



《次は…俺が壊してやろう》

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あきゅろす。
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