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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
九ページ
「本来ならここでお前を破壊するべきなんだろうな、俺は」
《…お互いにな》
「ああ。だけど今はそれどころじゃない、こっちはな」

クルヴィスは残っている部隊に指示を出している。もう少し時間が経てば恐らく本部前は今までに無い戦場になるだろう。
そこに、管理局と組織側の最強が揃っていた。


「お前、何悩んでるんだ?AIのクセして」
《…それが分かれば苦労しない》

二人の会話に、ケルベロスが交ざる。

《シャドウ》
《…ケルベロス》

《貴方は自分を今まで何だと思って居ましたか?》
《ファルドのコピーだ》

《それでは駄目です。シャドウ…貴方は貴方ですから》

「ケルベロス?」
《私も主に会うまではただのAIでした。しかし、主の左腕として存在してきて分かった事があります》

《…………》

《造られた体であっても、心は本物だと言う事です。貴方も、私も……彼等も》

「ファルド一佐!来ます!」
「二人だけで守れって?」
「ええ」
「はっきり言うな」

《仲間が倒され、貴方が感じたのは感情です。造られたプログラムに流されない貴方は人形ではありません》
《………俺は…》

《貴方の思う、為すことをしなさい。オリジナルから言えるのはそれだけです。幸運を祈ります》

「ケルベロス、お前どっちの味方だ」
《無論、主です。それがコピーであっても》
呆れたため息を吐くと、ファルドは迫りくるバスターともう一つの反応を待った。

《……》
シャドウはISを発動させると、空を跳ぶ。

《ファルド!》

「なんだシャドウ!」

《…決着はいずれ着ける。だが今は見逃してやる》
「こっちの台詞だ!」

《…その時は…“コピー”としてではなく、“シャドウ”として貴様と戦おう!》
それだけを言うとシャドウは撤退していった。

それと入れ代わりで鋼の巨体が大軍を連れて一直線に突っ込んで来る。


「マジかよ…あれを二人でか?」
「……しばらくの間は」

《無理ですね》
ケルベロスからの辛辣な追い討ちに、二人は泣きたくなるが我慢した。

「全く…まあいい、無理無茶無謀は俺の専売特許だからな。行くぞクルヴィス!」
「了解です!背中は任せましたよ、ファルド一佐!」

《止まれ。総員射撃用意!》
バスターは脚を止め、砲撃に特化した簡易量産型ルーツに指示を出す。号令通り射撃準備を済ませると、ファルドとクルヴィスの二人に照準を固定した。

 バスター自らも全身の武装を展開し、二人に狙いを定める。
両肩の対空砲を構え、拡散射撃の魔力砲台を開いて両足をしっかり踏み込む。

《改良された俺の砲撃、なめるな…》
バックパックのライフルも展開するが、手を使わずに腰に固定されると両腕を突き出した。

テンプレートが現れ、魔力が充填されていく。



「すごい無謀な気がしますがぁっ!」
「四の五の言わず、突っ走れぇぇっ!」


《……撃てぇぇぇぇっ!》


 号令と同時に放たれた魔力砲は、的確に二人を撃ち貫く。だが、ファルドとクルヴィスは止まらない。

弾きながら走り続け、敵陣に突っ込んでいく。無謀とも思える作戦だが、それでもやるしかなかった。


「畜生!なのはは何やってやがる、こんな時に!」
「弾幕はパワーですね!」
「黙れクルヴィスゥゥッ!」
 軽口叩く余裕は無いが、それでも二人は突っ切った。敵陣に突入した後、思い思いに暴れ続け戦場は混沌となる。

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