魔法少女リリカルなのはLOST Battle
六ページ
……炎が収まった後、空には何も残らなかった。浮かぶのは赤い鬼ただ一人。
デバイスの両脇が開き、余分な魔力と溜まった熱を放出する。白い湯気はそのまま風に流され、消えていった。
「直撃、か。まぁしばらく動かねぇだろうな」
髪を掻き上げ、腕を組む。思っていた以上に呆気ない終わりを迎えてしまい、手持ちぶさたになってしまった。
(ファルドの野郎でもぶっ飛ばしに行くか…?)
『ロア、聞こえる?』
「あん?ノルドか…なんだよ」
『手が空いてるなら本部襲撃側に回ってくれない?ちょっと押され気味だからさ』
「あいよ、了解」
仲間との通信を切り、軽く呼吸を整える。空の静寂に背を向けると、地上にそびえ立つ管理局の塔の方を向いた。
「……フェイト。お前なら止められると思ってたんだがよ…期待外れだ」
ただ一言を残すと、ロアは指示通り本部の襲撃に向かった。
『おぉぉぉぉっ!!』
《ぬぅっ!!》
完璧にタイミングの合った一撃がブレイドの両腕を破壊し、続け様に顔面と胸部を破壊される。火花を上げながら二三歩後退り、片膝を着き機能を停止した。
ファルドとクルヴィスの頬を汗が流れ、乱れた呼吸を肩でしている。
二人で何度も破壊しているのだが、一向に倒れる気配は無い。
「はぁ、はぁ、はぁ…これで、何回壊した…」
「大体…二十回、ぐらい…ですかね……」
いい加減体力が保たなくなって来ているので早めに決着を着けたいのだが、そういう訳にはいかないようだ。
《……言ったはずだ》
「くそったれ!まだ立つのか!」
《俺を…あの人形共と一緒にするなと…!》
脚部の装甲が開き、魔力を吸収していく。それと同時に破壊した両腕が再生されていき、顔面と胸部の破損が修復された。
《さあ、まだ終わりではないぞ》
「化け物かアイツは…!」
《ふん。純粋なデバイスである俺に勝てるはずが無いだろう》
「成る程…デバイスのナノマシン修復も備えて、更に魔力吸収。オマケに魔力で再生強化か…こいつは、塵一つ残さない消滅しか倒す方法がなさそうですね」
《やれるものならな!》
『無理に決まってるだろうがぁぁっ!』
半ばやけくそ気味に叫び、二十回繰り返した破壊を続ける。
二人の連携攻撃を弾きながら反撃するブレイド。ファルドは回し蹴りを蹴り返し、クルヴィスが脚を切断した。
真紅の刃が背中に振り下ろされるが槍の柄で肩を押さえ、その隙にファルドが右腕を切断。
『おぉぉぉぉっ!』
クルヴィスはもう一本の槍を魔力で作るとブレイドの胸に突き刺し、ケルベロスの零距離ディバインスマッシュで更に追い討ちを掛けて派手に吹き飛ばす。
「ドカーンといきましょ」
左手の指を鳴らすと、突き刺した槍の魔力が爆発。ブレイドの胸は破片を散らしながら風穴が空いた。
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