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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
四ページ
《中々楽しませるな貴様》
「それは、どうもっ!」
目が痛くなる程に赤い真紅の騎士が剣を振るう度に銀の槍が流し、手痛い反撃の一撃を突き出す。

肩に突き刺さる槍を引き抜きながら更に斬り上げるが、十字に別れた槍の穂先で受け止められてカウンターを受け吹き飛ばされた。



「クルヴィス…?」

「……?」
間合いを離し、横目で声の方向を向く。瓦礫から身を起こすファルドを見て一瞬動きが止まった。

「ファルド一佐……?」
「お前…」
「っと、のんびり話してる暇はなさそうです」
槍で肩を叩きながら、いつもの調子でクルヴィスは構え始める。ファルドも隣に並ぶとケルベロスを構え、立ち上がるブレイドを見据えた。

「…何とか互角に持ち込んでますが…正直アレは反則です」
「何?」
何の事かと敵を見ていると、全身の装甲が開いて隙間から魔力を取り込んでいる。装甲が閉じると、破損した箇所が次々と再生されていった。

《俺をあの人形共と同じように見るな》
「ありゃ無理です」
「諦め早いな相変わらず…」

「粘り強い方ですが」
「黙れアホ」

《……緊張感無いな貴様等。いまいち調子が狂う》
 ブレイドは右肩からもう一つ柄を取り出すと魔力を込めて剣を作り出す。
二本の刃を構え、二人に対峙すると誰も動かなくなった。


場を包む空気が張り詰められ、ファルドとクルヴィスの眼差しから余裕が消える。

風が吹き土埃が舞い上がり、瓦礫が音を立てて崩れた。

それが合図だったのか、三人は同時に動き出す。二人だけの戦場は三人の戦争になり、瓦礫が更に砕かれ塵になって空に舞う。












「はぁぁぁぁっ!」
フェイトは空を飛ぶ人型ガジェットの大群を相手に奮闘している。
誘導弾を駆使して次々と撃破していき、徐々に戦局を覆していく。

「よし、この辺りは大体…」

「フェイトさーん!」

「ウェンディ?」
「勝手に飛び出したら駄目ッスよ」
置いてきてしまったナンバーズも無事に合流。フェイトの所にウェンディとオットー、ディードが来た。
他のメンバーは地上本部側の防衛に回っているらしい。

「ここは私一人で大丈夫。三人は別な場所で陸士部隊の援護をお願い」

「了解ッス」

「…よし…頑張ろう、バルディッシュ」
《Yes.Sir》

フェイトが別な敵航空部隊の迎撃に向かおうとした瞬間爆発と共にビルが崩れた。

「今のは…他の部隊が危ない…!」
急いで向かった先には辛い現実が待っている事も知らず、フェイトは爆発の起きた場所に降り立つ。

見渡す限り破壊され、陸士の輸送車も黒煙を上げて沈黙し、配置されていた部隊の人々が倒れていた。

「酷い…」
敵の容赦の無さに苛立ちを覚えるフェイトだが、その感情を抑えて怪我人を退避させる。
その内の一人はまだ意識が残っていたので、何が起きたかを聞いた。

「大丈夫ですか」
「…テスタロッサ…執務官殿……早く、逃げてください……あれは…」
「しっかりしてください」

「…赤い………鬼」
それだけを言い残し、陸士部隊員は気を失った。ある程度避難させて惨状を見渡すと、近くに展開していた陸士の防衛部隊付近で再度爆発が連続して起き始める。

「これ以上は…やらせない…!」

被害が拡大する前にフェイトは急いで援護に向かった。

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