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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
一ページ
――ミッド市街


「……ここも酷いもんだな」
「ああ、例の襲撃者だろ?話によればアイツ等デバイスらしいな」
 戦闘によって荒れた地区を片付ける局員達は朝から忙しい。
地上本部は未だ健在し、シャドウ達がこのまま引き下がるはずがない。

「派手に暴れてくれたよなぁ…」
「ホントに……」

「ハイハイそこー!口だけじゃなくてちゃんと動いてくれよー!」

「すいませんクルヴィス三佐!」
「全くもー…しっかり働かないと後々大変なんだから頼むよ」
ブロンド色の髪を長く伸ばした局員に叱られ、留守番気味だった手を再び動かし始める。
クルヴィスと呼ばれた局員は地上では有名な人物であり、トリックスターの二つ名も持っているが本人は平々凡々と言って聞かない。

 現場には十数名の局員がジャケットを着て作業をしている。これはクルヴィスの部隊『陸士部隊機動捜査課』という特別な部隊。
他の陸士部隊の大半が負傷者多数で人手が足りないから呼び出された。

「…にしても、負傷者は管理局員のみ。か……」
 データを整理しながら地上本部を見上げる。高々とそびえる姿は威圧感があり、クルヴィスはあまり好きではなかった。

「襲撃から一週間…膠着状態から一気に逆転勝ち。誰かさんのおかげで…まあ、一人だけだけど」
本局の切り札、ファルド。個人情報は本来なら覗けないのだが、諜報戦なら負け無しのクルヴィスなら簡単に見れる。

どこが平々凡々なのか分からない。


「……まさか、ね。二年前に行方不明だし…今更」

『クルヴィス三佐!手伝ってください!』

「おおぅ、素晴らしい意気投合……」
部下からの一斉放火を受けて苦笑しながら指示を出したり残骸を回収する。



ガチャ………


《……………》
そして、その様子を生き残っているビルから冷たく見下ろす深紅の騎士。何も気づかない局員達は時折談笑しながら明るく作業を続けている。



「…っ!」
クルヴィスは視線を感じビルの上をにらんだ。そこには誰も居ない。

(いや、居る。気配があるな……)
一瞬だけだが、一部の景色が揺れた。見えない何かが動いたように。それが何かを確認するまでもない。


「各員戦闘準備!作業は一時中断!敵が来るぞ!」

《…勘が鋭いのが一人》
「くっ!」
不可視の一撃を間一髪、横に飛んで避けると待機させていたデバイスを起動させる。左耳のピアスが銀色の槍に変わり、軽装で動き易い青のジャケットを身に纏う。

 すぐさまデバイスを構えると、徐々にはっきりしてくる敵を見据える。部下達は既に救援要請をしていた。

(流石、手回し早いね)
《……お前からだ》
「そうかい。生憎仕事が溜まってるから早々に退場願いたいんですがぁ!?」





地上への襲撃は終わらない。どちらかが滅ぶまで。


再び始まる戦乱の幕開け。


《…ライダー。見ていろ》
復讐を誓った影は赤いマフラーをなびかせながら地上本部を睨むと

《必ず……お前の仇は取ろう…!》
右手に剣を持ち、空を跳ねた。

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あきゅろす。
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