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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
プロローグ
「…ん〜〜!」
 ノーヴェの朝は比較的早い。特に理由は無いが、早起きしてしまう。
三隊長に比べればまだ遅い方だが、ナンバーズの中では一、二を争う。

「…顔洗わないと」
洗面所に向かうと、既にチンクが顔を洗っていた。タオルが見つからずオロオロしていたので傍にあるタオルを渡す。

「む、ノーヴェか。すまないな」
「チンク姉。おはよう」
「おはようノーヴェ。姉は朝食作りの手伝いをしてくる」
「うん。じゃあ皆起こしておくよ、チンク姉」
そうして別れたチンクは食堂に向かって行き、ノーヴェも部屋に戻って着替えた。

「あー!動きづらい」
制服を着ようと思ったが、トレーニングウェアを着る。その後、全員を起こす為に部屋を見て回った。




「…後は、ウェンディとディードか」
順番に見て行き、残り二人。ファルドと一緒に寝たらしいウェンディの心配をしながら部屋に向かう。


「ウェン――

バタバタバタ!ガシャン!

ディ………」
中から聞こえる物騒な音。暴れているような騒々しい音に、ウェンディが襲われていると思ったノーヴェはファルドを蹴る準備をして扉を抜ける。


「大丈夫か!?ウェン……ディ………?」

が、予想とは百八十度違う光景が広がっていた。

「ファルドさ〜ん♪恥ずかしがらずにおはようのキスッス〜♪」
「だ・れ・が・や・る・か〜〜〜〜!」
ファルドに覆いかぶさり、顔を近付けるウェンディ。そして、それを必死に押さえている機動六課唯一の男。

「…ノーヴェ!助けてくれ!」
入口で固まっているノーヴェに気づいたファルドが助けを求めるが、反応がなかった。ウェンディは気づきながらもファルドにキスを迫る。

「な………何してんだぁぁぁっ!?」

怒鳴りながら放ったノーヴェの蹴りがウェンディに直撃。騒々しく始まるファルドの朝。

(…もー嫌だ)
朝から疲れた表情で目の前の姉妹喧嘩の行く末を見守る。そんな騒ぎを聞きつけたのか、部屋にリインがやってきた。

「こらー!二人共喧嘩は止めるですよー!」

「おはようリイン…後は任せた…」
気づかれないようにして無事に脱出したファルドは服を着替える為に自室に向かう。到着と同時にベッドに倒れ、ある事に気がついた。


「って!俺の部屋あるなら別に日替わりで寝る必要全く無いと思うッス!……口調移った…」
「おはようファルド」
「ああ、おはようディエ……」


…………………………(間)


「何故いる」
「声掛けようとしたらファルドそのまま行っちゃって…」
「つまり着いてきた、と」
「うん」

ゲシィッ!

「着替えるから出てけ」

「蹴らなくてもいいと思ったんだけど…」

朝からご機嫌斜めのファルドは何の悪気もないディエチを蹴り飛ばして部屋から追い出し、ロックを掛ける。蹴られた尻を擦りながら制服姿のディエチは食堂に向かった。



平和な時間。だが、それが続いたのは僅かな数時間だけであった。

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あきゅろす。
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