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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
九ページ
「…………」
「…………」

なでなで……

「…………」
「……………」

なでなでなで……

「…………」
「………いつまで撫でてるんだよ」

「ふぇ!?ご、ごめんなさい…」
何も言わなかったファルドの頭を撫で続けていたなのはがしょげる。
そこで、思い出した様に写真を見せた。

「……それ」
「これ、フェイトちゃんが持ってたんだ。はい、返すね」
「消し飛んだかと思ってたんだがな……」
受け取ったファルドは冗談をいいながらも嬉しそうにしているが、悲しい表情も交じっている。

「……」
「機動武装隊、か……懐かしい」
「……もう、無いんだよね」
「…ああ、俺が……俺の所為で壊滅した。実質生き残りは俺とロアの二人だけだ……近い内に、誰も居なくなる」

「えっ!?」
「戦いが終わる頃には、な」

「…そんな」
「大丈夫だ、心配いらない。戦いが終わるまで俺はなのは達の傍に居る」

戦いが終わるまで。ファルドはそう言った。

…全てに決着が着いた時、もしかしたら居なくなっているかもしれない事を伝える。

「この戦いが終わったら…ファルドさん、どうするの?」

「……さあな。終わった後なんて考えもしなかった。…そうだなぁ…生きてれば、のんびり平和に暮らしたい」
「そっか…♪」
その後しばらく二人で談笑を続け、隊舎に戻った。
ファルドは大浴場に向かい、体を洗う事にする。

ナンバーズ達は全員入ったようで、静まり返っていたが逆に怖い。尚、ファルドの強い要望により男女別々に別れている。


一人きりでシャワーを浴びながら今の時間を堪能するファルド。今だけは自由に過ごせる。

「ああ、やっぱり男一人っていうのは辛いなぁ…」
ハーレムという状況なのに愚痴る男。もし他の管理局員が聞いていたら発狂モノだ。何が不満かと言うと、気の落ち着ける場所がないのが不満らしい。

その後も延々愚痴りながら体を洗い、浴槽に浸かる。熱めのお湯が肌に痛い。
体が馴れてきた所でファルドはため息を一つ吐いた。

「あー、いい湯だ…」
のんびり過ごしていたのだが、女湯方面の壁が水面のように揺れたのを見たファルドの表情が引きつる。
すぐさま立ち上がり、身構えた。


「ファルド〜♪」
「ファルドさ〜ん♪」

「ぬぉりゃあぁっ!!!」


ゲシィッ!

出てきたタオル一枚のウェンディとセインをまとめて蹴り飛ばし、壁の向こうに強制送還。

――凄い痛いッス!

――ファルドの人でなし!

「ぃやかましい!男湯に入って来るんじゃない!俺の時間を邪魔するなぁ!」
半ば泣きながらファルドは壁越しに怒鳴った。更に何か言い返してくるが無視して風呂から上がる。

「全く…あの二人には一回常識を叩き込んでやらないとダメか」
 脱衣場で服を着替えるのだが、視線を感じたファルドは辺りを見渡す。しかし当然ながら誰も居ない。
気のせいだと思い、腰に巻いたタオルを外さないまま下着、ズボンと順番に履く。

ガタッガタガタン!

「…………」
まさかと思い、女湯方面の壁に耳を当ててみる。

「どうだったッスかセイン」
「バッチリ。気づかれてないよ」

「…………」
何も言わず着替え終わると、入り口で出てくるのを待った。出来るだけ距離を取り、気づかれないように。

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