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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
一ページ
「…そういえばフェイトちゃん、なのはちゃんの様子はどうなん?」
「順調に回復してるって。今日中には目を覚ますみたいだけど……どうなんだろう」

二人のエースはよく似ている。少し無茶をして周りに心配掛けても笑顔で「大丈夫」と、安心させる健気な所が。

「なのはちゃんは本局やから安心出来るけど……ファルド君はすぐにでも動きそうやね」

「あり得るかも……黙っているのがあまり得意じゃないから…」
「なんや、心配になってきた…」

その場に居た全員が同じ事を考えた。


『…………不安だ』











「くしっ…」
一方ファルドは小さなくしゃみをして体を起こした。軽い体操で筋肉を解すと、隣のベッドで寝ているスバルを見る。
所々包帯が巻かれ、今は穏やかな表情で寝ていた。


「……」
視線を反らし、外を見上げると変わらない青空が広がっている。そんな空で散った疾駆者はどんな思いだったのだろうか?
 考える暇も無く、スバルが小さく呻き目を覚ました。

「…ぁ、ファルドさん」
「ようスバル。体の調子はどうだ?」
「え…と…大丈夫です。ファルドさんは」
「俺も同じだ」
病室の扉が開かれ、ギンガとナンバーズ一同が入ってくる。広いとは言っても流石に大人数が入られると狭い。

「ギン姉…」
「スバル。良かった…ケガは大丈夫?」
「うん、もうすっかり♪」
「食欲ある?果物買ってきたから食べよう」
「ありがとう、ギン姉」


「……姉妹、か。仲が良くていいな」
「ファルドもケガは大丈夫?」
「ああ…ケルベロスがあり程度のリカバリーをしてくれたお陰でな。今は問題無い」
「元気そうで何よりだ」
 包帯を巻かれているのはファルドも変わらないが、こちらは勝手に解いている。笑みを浮かべながらナンバーズと話す様は、管理局のファルド・ヴェンカーだった。

昔と変わらない物腰で全員と笑い合う。


「あの…ファルド、さん?良かったら食べますか」
 ギンガが気遣い、ファルドに切り分けた果物を差し出した。

「一つだけ」
手を伸ばして一つ取るが、すぐに落としてしまう。
 右手が小さく震え、指が上手く動かない。震えが大きくなる前にファルドは拳を思い切り握りしめた。

「お、おいファルド…」
「大丈夫だ、いつもの事。発作の様な物だから」
しばらくしてから再び果物を一つ取り、口に運ぶ。何食わぬ顔で味わいながら食べる。

(…まさか聖典の第一解放だけでここまでダメージが残ってるとはな)
 ファルドは顔に出さないまま予想以上に深刻な体のダメージをどうするかを考えていた。

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あきゅろす。
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