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魔法少女リリカルなのはLOST Battle
八ページ
 スバルが空に上がり、ライダーが衝撃波で道路を半壊させながら空を走った。

「……」

《……》

二人は自分の持てる最大の一撃に、全てを託す。


自分の信じた一撃が勝利へ導いてくれると信じて。


「一撃…必倒ぉぉーっ!!」

残りの魔力全てを注ぎ込み、左腕の魔力を構える。右手のカートリッジを装填し、空に向けた。



《音響旋風!》
ライダーはスバルから遠く離れ、正面から全力で速度を上げて駆け抜ける。両足の車輪が限界を訴える様な火花を出しながらも全てを賭けて走った。


「ディバイィーン…!!」

憧れた『あの人』に、少しでも近づきたい思いから作り上げた全力の一撃。


《ソニック……!!!》

何よりも速く、誰よりも速く走る為に…そして、好敵手に勝つための一撃。



――二人は、全力をぶつけ合う。




「バスタァァァァーッ!!」


《ブラストォォーッ!!》


光の奔流の直撃を受けながらも、旋風の一撃は止まらない。
たった一つの‘思い’を込めて、二人はより力を籠める。



――私は…


――俺は…



――ライダーに…


――スバルに…




――勝ちたい!!




「おぉぉぉっ!!!」

《あぁあぁぁぁぁぁっ!》



衝突を続けた魔力の爆発が二人を飲み込み、一瞬の静寂が流れた。











「………どう、して…?」

 スバルの目の前には、ライダーの手刀がある。しかし、肌には触れておらず止まっていた。

後数ミリ。それだけでスバルの命は奪われていた。


《……》
機体前面が大きく削られたライダーは何も答えない。ただ黙って右手を戻す。


《…お前の勝ちだ。スバル……》

「えっ…?」

《…だが、俺の勝ちだ。戦いに負けた、しかし勝負には勝った…》

「どういう…?」

《…11分37秒…残念…だっ、たな…》

「あ……」

壊れ掛けている頭部の左目が小さな爆発を起こし、破片が飛び散った。


《…お前との…戦、い…な、か々…楽し…かっ、たぞ…》

「ライダー……」

《…マッハ、キャリ、バー》

《YES》

《……さら、ばだ。スバル…と……最後ま…で……走り、続け……ろ………》


《YES.good-bye...My Friend》


《…も、う一度…お前、と…そ、ら…を……走り……た、かっ………》

全身が小さな爆発を起こしながらライダーが地に落ちていく。


「ライダー!!」

スバルが追おうとするが、ライダーはサイクロンを取り出してスバルを止めた。


伸ばした手は届く事は無く、誰も居ない空で大爆発を起こしてライダーは役目を終える。



――仲間を助ける使命を

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