魔法少女リリカルなのはLOST Battle
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ライダーはうつ伏せの状態から受け身を取り、まるで地上に居るような立ち上がり方を見せる。再び二人は構えをとった。
口の端から垂れる血を拳で拭い、スバルはカートリッジを三発装填する。
「…くっ」
《本気ではないのだろう?まだ速く走れるはずだ、来い!》
「うぉおおおおっ!」
スバルが気合いと共にライダーと空を走り続ける。その行く末を見届けるナンバーズとファルド。
「ファルド殿、大丈夫か?」
「ああ、問題無い。お前達も無事そうだな」
何処か変わったファルドの雰囲気に少し驚く暇もなく、すぐさま敵が密集してくる。
「…話は後だ。とにかく今は敵を落とすぞ」
膝を着いた状態から立ち上がり、フレームの群れに先陣を切るファルド。それに付いていく形でナンバーズも戦い始めた。
《せぇぇやっ!》
「くっ…はぁぁ!」
二人の拳がぶつかり、衝撃が走る。ライダーは左手の指を揃え、スバルに突き出す。同様に左腕を突き出し、再び相殺し合う二人の一撃。
数歩後退り、同時に蹴りを繰り出すが全く同じ動作でぶつかり合って相手には届かない。
ライダーが左足の車輪を滑らせ、飛び上がりながら後ろ回し蹴りを顔に放つ。
スバルは両手で防ぐが、ウイングロードから逸れて落ちていった。しかし、マッハキャリバーが自動で道を作り相棒のフォローを行う。
一瞬遅れてライダーの蹴りが通り過ぎ、直線距離にあったビルが崩れ落ちた。
「危なかった〜…」
冷や汗を拭い、頬が切れている事に気づく。その一撃に驚きながらも、土煙を上げているビルを見下ろす。
《外したか…!》
ライダーは再び空に上がり、スバルを落とそうと風となって走る。
「……どうして、そこまでして」
《…戦う、か?決まっているだろう、仲間を守る為だ!》
「…!」
《お前とて同じはずだスバル・ナカジマ!俺は俺に与えられた能力でドクターの夢を全速力で守る!》
ライダーの一撃が次々と放たれる中、スバルは防ぎ避け続けながら言葉を聞く。
《作り物の体と作り物の心であったとしても、それがプログラムであったとしても!》
「くっ……」
《仲間を思う気持ちは、変わるはずがない!!》
ライダーの振り上げた脚が、スバルを勢い良く地上へ叩きつけた。
耐え難い衝撃に耐えぬき、立ち上がった目の前にライダーが構えて立ちはだかる。
「…私、だって……私も同じ気持ち!なのはさんやティアを守ってあげたいから!勝つって……強い自分になるんだって!あの日の思いは、絶対に変わらないんだ!」
スバルの足元に、青いベルカの魔方陣が浮かんだ。
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